南桜から
■野洲市南桜から。一面の枯れ田。農道の片隅に去年の枯れ草が残っています。一気に芽を吹き出すのは、もうすぐです。むかし語り音楽夜話索引を作りました。バックナンバー検索にどうぞ。
■むかし語り音楽夜話
--------わたしの名曲迷選(軍歌からベートーベンまで)--------
52.海行かば-------海行かば 水漬(みづ)くかばね-------
作詞:大伴家持 作曲:信時 潔 昭和12年
海行(ゆ)かば 水漬(みづ)く屍(かばね)
山行かば 草むすかばね
大君の 辺(へ)にこそ死なめ
かえりみはせじ
去る3月15日、京都の大谷ホールで、アンサンブル「サンギーティ」演奏会があった。サンギーティとはサンスクリット語やパーリ語で「一緒に歌い会わせる」という意味だそうだが、仏教賛歌、日本の抒情歌、混声合唱のための唱歌メドレーと楽しい内容だった。
すべてのプログラムが終わってアンコール。指揮者のWさんが曲を紹介された。「みほとけは」。大谷高校での宗教行事でよく歌われた曲だった。「この曲は信時潔の作曲で、昭和22年の作です」。ふーんそうなのかと聞いていたが、続く言葉にあっと思った。そうだったのか。「じつは信時先生は、あの”海行かば”を作曲された方です」。
少なくともあの戦時下を生きた日本人で、「海行かば」を知らない人はいない。Wikipediaによれば、昭和12年、国民精神強調週間が制定された際、そのテーマ曲としてNHKが信時に嘱託して完成されたものだという。最初は出征兵士を送る歌として使われていたが、やがてそれが学徒出陣にまで及び、戦争末期には、玉砕を報ずる番組導入部のテーマ音楽として用いられようになる。
信時潔はこのことに苦しむ。以後作曲のペンを取らなかった信時が、戦後初めて作った曲がこの「みほとけは」だったという。
みほとけは
作詞:仲野良一 作曲:信時 潔
1,みほとけは
まなこをとじて み名よべば
さやかにいます わがまえに
さやかにいます わがまえに
聞いていただいたとおり、この2曲、何ほどの差があるとも思えない。「海行かば」の作曲動機に多少の違和感を感じるとはいえ、歌詞を見なければ、ともに落ち着いたいい曲である。芸術作品も使われ方によって、とんでもない方向へ一人歩きする、恐ろしい例である。
むかし語り音楽夜話索引を作りました。バックナンバー検索にどうぞ。
■デジカメ わいわい村「とれとれ作品集」
■全国ふるさと富士サミット講演録 『谷文晁が見た三上山』
■写真ステージ 「近江富士」 HP


