「近江富士」かわら版

近江富士、四季の風景 ■「穂高から三上山まで」---わたしの山と写真---連載中

2008年04月04日

水辺にて



写真拡大■守山市立入町、JR琵琶湖線野洲川鉄橋の少し上流の水辺です。一見して川が2本あるようですが、見えているのは中洲です。

  
  むかし語り音楽夜話索引を作りました。バックナンバー検索にどうぞ。


■むかし語り音楽夜話
--------わたしの名曲迷選(軍歌からベートーベンまで)--------
   
 64.ステレオレコード---------上村愛子さんが両足を------

 先日から、何回か喫茶店「ルーチェ」のことを書いてきたが、そこに双頭のアームを持ったプレーヤーが設置されていた。店に入ると、ガラス張りのスタジオ風のコーナーがあり、壁面に天井近くまでびっしりとLPが収められていた。その下にプレーヤーが2台だったか3台だったか、堂々とした風格ででーんと鎮座していた。特に目をひいたのが双頭のアームを持ったバイノーラル・レコード用のプレーヤーだった。初めて見たときは思わず息をのんだ。

 バイノーラル・レコードというのは、いまの「ステレオ」という言葉が使われだす前に、一時的に使われていた言葉である。左右にスピーカーがあるいわゆるステレオシステム。現在では当たり前の話であるが、当時はそれが大変なことであった。ステレオには音源が2つ必要になる。NHKの立体音楽堂の第1放送と、第2放送がそれに当たる。
 
 ところが当時のレコードは溝が1本で、当然1つの音源しか再生できなかった。それなら溝を2本にしようじゃないかというのが、双頭アームの発想である。レコードの面を外側半分と内側半分に分割して、それぞれに左右の音源を刻み込もうというのである。話には聞いていたが、そのレコードを見たこともなかったし、再生音を聞いたこともなかった。すごいな、どんな音がするのやろ。

 結局その音は聞かずじまいだった。ものの本によると、2本の針をそれぞれの溝に落とすのが神業レベルの修練が必要だったとか。それはそうかも知れない。片方が1周違いのところに落ちたら、それぞれの針は全くトンチンカンな音を拾うのだから。

 そうこうしているうちに1本溝のステレオレコードが出るという。なんで1本で音が2つ拾えるねん。聞けば、それまでのレコードは、1本の針が水平方向に振動していたのを、45度・45度の2つの方向に分けて振動させるのだという。

 たとえば、モーグルの上村愛子選手。体を揺すらずに両足を揃えて、あのコブを滑り降りる。どないしたらあんなことができるのか。われわれ素人には、うなりながら黙って見ているしか仕方がないのだが、まあ、足の振動はすごい。私はあれを見ているとレコード針にあんなしんどいことをさせていたのやなと思う。京都のどこかに針供養をするところがあるが、レコード針にも供養が必要だろうな。

 まず、1本溝のモノラルレコードの針。モノラルレコードにはコブはない。左右に細かく振動する溝があるだけ。愛子さんには役不足だが、足を揃えてその溝に沿ってり滑ってもらう。左右の足をそろえて水平方向にだけの操作である。いうまでもなく足の動きは1つである。彼女には楽なもんだろう。

 次にステレオレコード。左右の足を45度ぐらいに開いてコブの斜面を滑って貰う。そんなもんモーグルと違います。それは素人がやることです・・・。それはそうやけど、まあそういわずに・・・私も素人のはしくれですが、それすらできないのです。片方の足がコブを越えるとき、他方の足は溝かも知れない。両方コブの時もあるかも知れないし・・・。そんなコトしていたら、世界チャンピオンにはなれません。
 そう・・・、そうなんです。左右の足は別々に動く。これは忙しいぞ。ステレオレコードはこの左右の足の動きを、1本の針でそれぞれ別々に読みとろうというのである。なるほど考えたもんやな。しかしこれはえらいことやぞ。スピーカーは2ついるし、アンプももう一つ。どないすんねん。


 
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八田正文
八田正文
1976年以来、30年にわたって近江富士・三上山の写真を撮り続けてきました。その三上山の姿を新旧とりまぜて・・・。 「穂高から三上山まで」・わたしの山と写真、連載中。こちらもよろしく。
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