「近江富士」かわら版

近江富士、四季の風景 ■「穂高から三上山まで」---わたしの山と写真---連載中

2008年04月10日

咲きました



写真拡大■近江八幡市長命寺町、長命寺港から国民休暇村へ向かう県道25号からです。この道は以前は琵琶湖側に樹木が生い茂って視界が悪かったのですが、最近それが伐採され、視界が広がりました。国民休暇村から長命寺に向かって走るとき、右前方に三上山がよく見えます。

 
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■むかし語り音楽夜話
--------わたしの名曲迷選(軍歌からベートーベンまで)--------
   
 70.さすらう若人の歌---------マーラー------


 あれは真空管式だったのか。トランジスター式だったのか。とにかく小型のプレーヤーとアンプが一体となったものだった。スイッチを入れるだけですぐスタンバイ状態になった。20cmぐらいのプレーヤーで30cmのLPを載せると航空母艦の甲板のように外にせり出す感じだった。ピックアップもクリスタル式の簡単なもの、それで結構いい音がした。昭和30年代の前半、時代的なことを考えると真空管式だったのだろう。

 私がいた教員室のロッカーに、そんなプレーヤーとレコードが2枚預けられていた。誰の所有物だったのか今になっては確かめようがないが、土曜日の午後など、あいた時間にそれをこっそり持ち出して、隣の会議室でそれを聞いた。2枚のうちの1枚がマーラーの『さすらう若人の歌』だった。歌っているのがディートリッヒ・フィッシャー・ディスカウ、伴奏フィルハーモニア管弦楽団。指揮フルトベングラー。

 マーラー23歳の作であるこの曲は、シューベルトの歌曲集『冬の旅』などの叙情性を追いながら、その手法では次に来るドビュッシーやラベルにつながるという不安定さを見せている。この不安定さこそが若い日のマーラーの魅力だといえる。

 いまでこそ、マーラーやブルックナーなどの大曲も、CDショップの棚にずらりと並んでいるが、当時はマーラーて何?という時代。この曲は格好の入門曲だった。あとになってシンフォニーを聴くとき、「ああ、これは”さすらう若人の・・”の」と親しみを感じることにつながった。

 そういうことで、この曲は私をマーラーに近づけてくれた仲人なんだが、"さすらう若人の・・"という題が気になって仕方ない。若いやつがさすらっていてエエのかいな、と思う。"さすらう" のは年寄りのすることやろう、若人は "さまよう" のと違うか。

 原曲の題は、Lieder eines fahrenden Gesellen。これを訳すと「さすらう」がでてくるのだろうが、何せ、きのうも書いたように、ドイツ語は2年かかっても単位が取れなかった。「さすらう」でなくて「さまよう」だという自信はない。
 ワーグナーの楽劇に「さまよえるオランダ人」というのがある。これは
Der fliegende Holländer だから、やっぱり違うのかな。こういうときは辞書を引けばいいのだろうが、ドイツ語の辞書は行方不明。

 「さすらい」と「さまよい」、漢字で書けば「漂白」と「彷徨」。
 「予もいずれの年よりか片雲の風にさそはれて漂白のおもひやまず・・・」、有名な芭蕉の『奥の細道』の出だしだが、どうしてもこれにつながってしまう。


 
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八田正文
1976年以来、30年にわたって近江富士・三上山の写真を撮り続けてきました。その三上山の姿を新旧とりまぜて・・・。 「穂高から三上山まで」・わたしの山と写真、連載中。こちらもよろしく。
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