菜の花
■野洲市比留田。麦畑のそばに、どこからか種が飛んできたという感じで、ぱらぱらと咲いていました。密集して、今を盛りと咲き誇っているのもいいものですが、このようにまばらに咲いているのもいいものです。むかし語り音楽夜話索引を作りました。バックナンバー検索にどうぞ。
■むかし語り音楽夜話
--------わたしの名曲迷選(軍歌からベートーベンまで)--------
80.違います。電話です!----------つけたし----
雪の西穂高へ登る2年前。昭和35年の話である。烏帽子岳から笠ヶ岳まで縦走した。京都を朝に発って、大糸南線大町まで。高瀬渓谷葛温泉で一泊。烏帽子小屋、三俣蓮華小屋、双六小屋、笠ヶ岳、計5泊ののち、蒲田川沿いの槍見温泉に下りた。笠ヶ岳は川の西側、穂高連峰は東側、ロープウエー西穂展望台から見ると、笠ヶ岳が正面に見える。
槍見温泉は、いまでは奥飛騨温泉郷の一角として立派な旅館になっているが、当時は本当にひなびた一軒宿だった。午後早く着いたためか、客は私と相棒Sの二人だけ。浴槽につかっていると、名の通り遙か彼方に槍が見えた。槍見温泉のHPを見ると、「青空を刺す槍の嶺」のキャッチフレーズが出てくるが、まさにその通りである。
富士見という地名は方々にあるが、槍見はない。槍ヶ岳は意外と見えにくい山で、どこからでも簡単に見えるわけではない。浴槽につかりながら、槍が見えるのはおそらくここだけではないか。与えられた部屋も一つの窓から槍が見え、もう一つの窓から焼が見えた。あとで館内を探検してみたところ、どうやらいちばんいい部屋らしかった。風呂から上がって、うとうととして目が覚めると、その焼岳が赤く焼けて消えていくところだった。
5日も山を歩いて薄汚れた格好をした若造二人に、夕食をちゃんと部屋まで運こぶという。宿泊代が心配になった。「米が一升残っているのですが・・・」と、おそるおそるきいてみると、それなら550円でいいという。人の足で顔を蹴とばされそうななぎゅうぎゅう詰めの山小屋でも一泊550円だった。それに比べれば天国だった。
翌朝、目が覚めてみると雨だった。実はそのとき、私が勤める大谷の中学一年生が、校外学習と称して高山に滞在中で、その日は乗鞍岳に登ることになっていた。先輩のAさんが責任者であったこともあり、乗鞍の頂上で会おうという話になっていた。京都を出てからきのうまで一滴の雨も降らなかったのに、よりにもよってこんな日に降らんでもエエやないか。
さあ、中学生は乗鞍へ行くか行かないか。行くのなら私たちも乗鞍へ。行かないのなら直接高山へ出た方がいい。そんなこと何悩んでるの。携帯で聴いたらエエやんか。今の若い人はそう考える。携帯はなかったが、当然私も電話で確かめようと考えた。
しかし、そのころは日本中どこでもそうだったと思うが、電話には市内(通話)と市外に分かれていて、市内はダイアルをギヤギヤと回せば通じたが、市外はいったん電話局を呼び出して、どこそこの何番と申し込みをしたあと、いったん受話器を置いて待つ、いわゆる待時式だった。2,3分でかかることもあれば、30分、ひどいときは1時間近くも待たされることもあった。
フロントへ行ってきいた。「高山までどれくらいかかるでしょうか」。「そうね、2時間半ぐらいかな」。「はあ?」思わず大きな声が出た。「平湯へ電話したら、なかなかつながらんでな・・・」、いつかAさんがぼやいていたのを思い出した。このあたりは電話に時間がかかるんや。しかし、電話に2時間半も待ってたら、行く方が早いで。
あれこれ考えていると、くだんのフロント氏は、「ここから平湯まで○○分だろう」。・・・・そうか、いったん平湯の局ににつないで、そこから高山へつなぎ直すのか。「乗り換えがうまくあればいいが・・・」。まだ分からなかった。ここらでは、電話の接続も「乗り換え」というのだと思った。
フロント氏の視線が、壁に貼ってある濃飛バス時刻表に向いて、初めて気がついた。「違います。電話です!」。・・・「今からだと、栃尾経由だね」・・・「バスじゃないんです。電話です」。・・・「電話?・・・・電話、うちありませんよ」。
そういえば、昨日この旅館にはいたのも、予約していたわけではなかった。笠ヶ岳から下りてきて、当然のように「コンニチハ、お願いします」と飛び込んだだけだった。考えてみればのんびりした時代だった。結局そのとき、朝6時40分のバスに乗って、高山へ9時40分に着いている。約3時間。いま私が住む滋賀県から、朝早く出れば新穂高ロープウエー経由で西穂高山荘まで日帰りができる。50年の年月は伊達じゃない。
■花緑公園ふるさと館デジカメ教室 5月10日(土)
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■デジカメ わいわい村「とれとれ作品集」
■全国ふるさと富士サミット講演録 『谷文晁が見た三上山』
■写真ステージ 「近江富士」 HP


