2008年05月09日
甍の向こうに
■栗東市六地蔵、旧和中散本舗裏の公園からです。和中散本舗の前は旧東海道、裏は新道が通っています。これはその新道沿いにある公園からです。もっと後退できれば豪快な絵が作れるところですが、残念ながらここまでです。これ以上バックはできません。むかし語り音楽夜話索引を作りました。バックナンバー検索にどうぞ。
■むかし語り音楽夜話
--------わたしの名曲迷選(軍歌からベートーベンまで)--------
99.交響曲第2番-------ブラームス----------
昭和45(1970)年、大阪千里丘陵で日本万国博覧会が開かれた。いわゆる"EXPO70"である。「1970年のこんにちわ・・・」という歌が流行った。万国博のテーマは「人類の進歩と調和」、とにかくものすごい人で、どこもかしこも人の列。月の石を見るのに、何時間待ちだとか。人よんで、「人類の辛抱と長蛇」という。
私は、博覧会だとか祭りだとかは、どうも体質に合わない。このときも職務の都合上、1回だけ嫌々行ったが、それ以後今に至るまで、博覧会と称するものに足を運んだことがない。
それよりも「EXPOクラシックス」のぽうが大事だった。カラヤン、ベルリンフィルである。4年前、その切符を買うのにNHKで長時間並ばされ、あと5人で涙をのんだ。あのコンビが再びやって来る。今度こそあのときの敵を討ってやる。目の色変えて待ちかまえていた。
ところが、今度は何の苦労もなく手に入った。そのからくりは忘れてしまったが、「4年前は何やったんや、エエかげんにせいよ!」と思った記憶がある。別に裏へ手を回すとか、後ろめたいことをやるとか、そんなことは一切なし。多分、フェスティバル協会が電話か何かで予約を受け付けてくれたのだろう。
カラヤンは、ウインの時に1回聴いているわけで、それよりも世界に冠たるベルリンフィルが目的だった。さてその演奏会。昭和45(1970)年5月14日。大阪フェスティバルホール。
当日のメモ
モーツアルト・セレナーデト長調、K525。強いてベルリンフィルで聞きたいものでもない。ベートーベンの9曲連続演奏のあと、これを選んだのも分らなくはないが、やはりこれは木陰で聞くものだ。それも緑の木陰で・・・。円山公園で聞いた京響のほうが印象に残る。この小さなセレナーデに、3回も舞台へ現れたカラヤンも大げさすぎるし、呼び出した方もどうかと思う。
ヘルベルト・フォン・カラヤン。11年前に見たものと少しも変わっていない。両膝を揃えて恥ずかしそうに頭を下げるのも同じ。客席に顔を向けながら足早に舞台を去るのも同じ。ここまでショーマン振りを発揮せねばならないのかと思う。
第2曲、W・フォルトナー(1907~ )の「マルギナーリエン」(注:1987年没。当然このときは健在だった。この題名、自分のメモでありながら、字がきっちり読めない。ひょっとしたら間違っているかも知れない。しかし、それが正しいかどうか、確かめる方法がない)。今年初演されたバリバリの現代音楽。もちろん本邦初演、無調音楽である。
ペッペッペッ・・・ミュートをつけたブラス。ヒューとバイオリン。マリンバのグリッサンド。ほとんど120人ぐらいいて、フォルテシモは1回もなし。オーボエがプップッ、客席でガタンと何かを落とした音、それも結構音楽にとけ込む。ブロッケンシュピール。フルートがひゅー。バイオリンが背中をひっかくよう。ファゴットがぶんぶん。マリンバが消え入るよう。
13分の小曲。結局は映画の伴奏音楽か。絶対音楽はロマン派で終わったのか。今の音楽は映像とともにあって初めてその意味をなす。
メインイベントはブラームスの2番。無造作に始まる。淡々と続くブラームスの田園交響曲。第2楽章のホルン、オーボエ、フルートの掛け合いが見事。最後になって、オーケストラがフルに鳴る。今夜初めての満足感。
ブラームスの2番、NHKFMを聞いて、同じドイツグラムホン盤でありながら、FMと我が家のプレーヤーとの差に愕然とした、曰く付きの曲である。その曲を生で聴いた。最後の最後にきて、やっと満足。そんな音楽会だった。
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