2008年05月27日
二重山稜
■野洲市花緑公園。普段何気なく見ていると、凹凸がある稜線に見えますが、実際には、雨の日などに見ると、単なる凹凸だけでなしに、このように立体的に二重の稜線になっていることが分かります。このうち、奥の方の稜線が南桜から見る”とんがり富士”の稜線です。◆朝日新聞週刊情報誌「あいあい AI 滋賀」(毎週水曜日発行)に写真シリーズ ”三上山物語” を連載しています。・・・5月14日号スタート、約1年間の予定です。
■穂高から三上山まで
--------わたしの山と写真--------
016.餓鬼・燕・槍・穂高-------
10.槍ヶ岳~奥穂高山荘。
山へ入って4日目、槍ヶ岳から、大キレットを経て北穂高・奥穂高山荘へ。
昨夜は風が強かった。その風の中、小屋の窓から見た星空は印象的だった。夜が明けても風は止まず、ガスが巻いてくる。「午前中なら大丈夫」という小屋の人の言葉に従い、5時40分、小屋を発つ。まずいぱらぱらのにぎりめしを、朝、昼2食分もらって。
左は縦走路から見た笠ヶ岳。薄いガスが巻いてはいるが、陽が照っている。
大喰岳、中岳と比較的のんびりと行く。そして・・・南岳。ここで山容は一変する。大キレットである。目の前の北穂高まで、一般に下り2時間、登り3時間といわれる。左の写真に写っているのは、その後半の登りの部分。頂上が北穂高だけである。前の人が心配そうにのぞき込んでいるのが下りの部分である。もちろん写真には写っていない。こうしてのぞき込んでも、下りの全コースは見えない。道は険しく、踏み出す岩はもろい。岩の崩れ方は、前方の斜面を見れば想像がつく。
最下点を過ぎて、北穂への登りにかかるころ、ガスが小雨に変わる。大バテだが、100mも登ると、傾斜も緩くなる。這い松の出ている急斜面をさらに人登りすると、北穂高小屋の前に出る。午前11時15分。南岳を下りだした時刻の記録がないから、何ともいえないが、やはり5時間ぐらいはかかっていることになる。いくら金を出してくれても水はないという。
昨日、槍ヶ岳山荘での話し。この大キレットで30mほどスリップして、大怪我を負う事故があったという。それを聞いて、東京から来た3人組の一人が、槍沢から上高地へ下りるという。後の二人も心細い。我々に向かって、「君らが穂高へ行くなら、一緒に連れて行ってくれ」という。つれていってほしいのはこちらのほうだが・・・。まあとにかく一緒に行きましょう。ということになる。左の写真、小屋の中にいるのがその2人。上の写真、大キレットの下りで、心配そうにのぞき込んでいるのも、このご仁である。
今回の山旅で、最大のビューポイントは、北穂高から見た槍ヶ岳だった。行く前から、何度も何度も雑誌を見て、その風景をたたき込んだ。これだけは絶対撮る。しかし、それが雨だった。万事休す。左は、京都へ帰ってから、雑誌の写真を元にスケッチしたものである。ヒマやったんだなー。午後1時40分、穂高山荘着。10分もたたないうちに本格的な雨となる。その中を槍から来た2人は涸沢から上高地へと下っていった。小屋には先客が1人しかいなかった。いただいたお茶がうまかった。
「明日、西穂高まで行きたいのですが、初心者でも行けますか」と訊ねると、穂高の主、今田重太郎老、答えて曰く。「初心者が行けんといっとったら、西穂をやるヤツはいなくなる」。まさに名言。私はこの言葉を肝に銘じた。以来、仕事でも何でも、初めてでホンマにやれるのか?というようなとき、この言葉を思いだすことにしている。
夕方までに、客は10人ぐらいになっただろうか。夜になって、明日のために、雪渓まで水をくみに行く者もいたりして、愉快に過ぎていった。ちなみに、このときの水の値段、水筒1杯40円。
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