2008年07月13日

松の木越に



写真拡大■栗東市出庭。栗東市野洲川運動公園の松の木。そこから野洲川越に三上山が見える。







穂高から三上山まで
--------わたしの山と写真--------


   
 063.槍・双六・笠
    8.第5日(8月19日)、双六池から笠ヶ岳山荘まで・1

  双六小屋。だだっ広い2階に上がると、先客が2人、若い男が寝っ転がっていた。着替えなどをしていると、その男たちはやおら起き出して、ウクレレを弾き出した。いや、その珍妙なこと。それと同時に、こんな山へウクレレを持ってくるヤツがいるのかと驚く。ひとしきりやり終えると、その連中は「さあ、やるか」と、下へ下りていった。何や、小屋のヤツやったんか。
 夕立はなかなか上がらず、雷も長い間去らなかった。それでも夕刻には日が差すようになり、窓越しに見る鷲羽岳が明るく輝いて見えた。 

 夜1時ごろ目を覚ます。山にいていちばん気になるのは明日の天気である。窓から外を見る。星が出ている。それもオレンジ色に輝いて、星座表に見るように星と星がつながって見える。まさに幻の星座である。深夜、皆が寝静まった2,600mの高山で見る幻の星座。寝ぼけているのかと目をこすってみたが、確かに見える、星座の線が。窓ガラスに結露した水滴が光を散乱させ、星と星がつながって見えたのだろう。

 何時頃だったのか、「火事や!」、女性のけたたましい声。皆一斉の飛び起きる。暗くてよくは分らないが、L型に曲がった小屋の反対側に煙らしいものが見える。ズボンを枕の下に入れていたのを忘れて、足下をさがす。「どこが火事だ!」と叫ぶもの。「あわてるな!」と怒鳴るもの。大変な騒ぎである。しかし、声がした階下では、それっきり静かなもの。「なーんだ、ひやかしか」。皆、安堵の胸をなで下ろす。もし、本当の火事になっていたら、小屋から脱出はできたとしても、靴がなければどうしようもない。全然、予期しなかったことだけに、困ったことになっていただろう。

1961年8月19日(土)


写真拡大 朝、晴れてはいるが、東の方にやや高く雲が横たわって、オレンジ色に焼けている。何となく不気味な感じである。ご来光が見られるかと、外へ出てみたが、やはりダメだった。でも、天気の方は何とか持ちそうである。




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写真拡大 6時45分、双六小屋発。ここからのコースは昨年通った道であり、ほとんど記憶に残っていた。忘れていたところも、道を行くに従って思い出し、絶えずコースの1時間ほど前を歩いているような感じだった。









 
写真拡大 双六池畔の小径は昨夕の雨に濡れていた。池の上、かすんで見えるのが抜戸から笠に続く縦走路。







写真拡大 這松の多い斜面を、樅沢岳から派生する尾根にとりつく。振り返ると、双六池や双六小屋、鷲羽岳が、素晴らしい調和で示していた。
 画面奥が鷲羽岳。その下、手前に見えるのが双六小屋。




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