2008年03月23日

南桜から



写真拡大■野洲市南桜から。一面の枯れ田。農道の片隅に去年の枯れ草が残っています。一気に芽を吹き出すのは、もうすぐです。

  
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■むかし語り音楽夜話
--------わたしの名曲迷選(軍歌からベートーベンまで)-------- 
  
 52.海行かば-------海行かば 水漬(みづ)くかばね-------

  作詞:大伴家持  作曲:信時 潔  昭和12年

  海行(ゆ)かば  水漬(みづ)く屍(かばね)
  山行かば  草むすかばね
  大君の 辺(へ)にこそ死なめ
  かえりみはせじ


 去る3月15日、京都の大谷ホールで、アンサンブル「サンギーティ」演奏会があった。サンギーティとはサンスクリット語やパーリ語で「一緒に歌い会わせる」という意味だそうだが、仏教賛歌、日本の抒情歌、混声合唱のための唱歌メドレーと楽しい内容だった。

 すべてのプログラムが終わってアンコール。指揮者のWさんが曲を紹介された。「みほとけは」。大谷高校での宗教行事でよく歌われた曲だった。「この曲は信時潔の作曲で、昭和22年の作です」。ふーんそうなのかと聞いていたが、続く言葉にあっと思った。そうだったのか。「じつは信時先生は、あの”海行かば”を作曲された方です」。

 少なくともあの戦時下を生きた日本人で、「海行かば」を知らない人はいない。Wikipediaによれば、昭和12年、国民精神強調週間が制定された際、そのテーマ曲としてNHKが信時に嘱託して完成されたものだという。最初は出征兵士を送る歌として使われていたが、やがてそれが学徒出陣にまで及び、戦争末期には、玉砕を報ずる番組導入部のテーマ音楽として用いられようになる。

 信時潔はこのことに苦しむ。以後作曲のペンを取らなかった信時が、戦後初めて作った曲がこの「みほとけは」だったという。
   
 みほとけは

  作詞:仲野良一  作曲:信時 潔

 1,みほとけは
   まなこをとじて み名よべば
    さやかにいます わがまえに
    さやかにいます わがまえに

 聞いていただいたとおり、この2曲、何ほどの差があるとも思えない。「海行かば」の作曲動機に多少の違和感を感じるとはいえ、歌詞を見なければ、ともに落ち着いたいい曲である。芸術作品も使われ方によって、とんでもない方向へ一人歩きする、恐ろしい例である。


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