鉄塔のある風景

八田正文

2014年05月30日 10:15


湖南市岩根
 国道1号バイパスが思川をまたぐところである。思川、といってもほとんどの方は「そんな川は知らんよ」とおっしゃるはず。水口町松尾あたりを水源として、野洲川右岸の平野を流れ下り、湖南市岩根・甲西橋の真下で野洲川に合流する。周辺は野洲川の北に横たわる十二坊連山がぐっと野洲川に迫るところで、ちょっとした山峡を形作っている。かつてはその山麓を県道27号が走るだけだったが、今は1号バイパスがもう1本加わった。が、山峡を通り抜けるため、バイパスは野洲川の堤防上を走る形になる。そのバイパスが思川をまたぐために一段と高くなっているところである。
 バイパスができる前、何度か来たところである。しかしひなびた風景の中で、この高圧線鉄塔は対処に困る代物だった。何度か通いはしたが、結局記憶に残るものは撮れない、そんな土地だった。風景に対する感覚も時代とともに変化する。最近は高圧線鉄塔も使い方によっては風景になるのではないかと思うようになってきた。これが模索の第一作ということになるのかもしれない。





 写真ステージ 「近江富士」

 
三上山撮影のついでに・・・


近江名所全集

■滋賀を歩けば

 





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