どだい無理な話

八田正文

2017年04月27日 10:04

東近江市百済寺本町
 国道307号道の駅マーガレットステーションから脇道を百済寺の方へ走った。平和祈念館を過ぎたあたりでアッと息をのんだ。道路の両側が一面に黄色、菜の花である。しかし普通の菜の花とは色が違う。冴えた黄色といえばいいのか。とにかく明るい。初めて出会った黄色だった。2,3日して京都新聞に写真入りの記事が出た。なんでもナタネ油を採取するためのものだとか。なるほどそうだったのか。しかしそこはダメ。どう見ても絵にはならなかった。鈴鹿の方を見れば何とかなったが、三上山の方は完全にアウトだった。

 もう少し進んだ上中野町あたりで小さな丘を越える。そこから三上山が見える。鏡山の左に頭だけを出すという構図である。右の方には太郎坊山が見える。太郎坊山というと、去年、御代参街道を歩いたことを思い出す。土山から歩き出して、日野を過ぎたあたりから遠くに三上山が見えだした。その後も忘れたころにぽこっと見える。結局名神をくぐるまでその状態が続いた。近江鉄道でいうと桜川を越えたあたりである。ところが名神をくぐった途端に真正面に太郎坊山が見えだしたのである。この変化は劇的だった。以前から307号を彦根から南へ向かうとき、どこかで太郎坊山と三上山が並ばないかと気にはしていた。御代参街道を歩きながら、それは可能ではないかという思いが強くなっていた。ここはその第一歩ではないか。

 すぐそこに例の菜の花も見える。並んでいないけどワイドにすればとにかく両者が入る。とにかく記録だ。それが今日の標題写真だが、名の花の色が全然違う。こんな色ではなかった。肉眼で見ると同じ花なのだが、色が違う。何が違うのか。考えられるのは光線の条件だけだ。先ほどは順光だった。いまは逆光。現場でいろいろやってみたが駄目だった。穂をつけたイネとムギ、イネは逆光がきれい映るが、ムギは順光だ。何でそうなのかはいまだ分からない。菜の花は順光組らしい。

 帰り平和祈念館に寄った。窓から先ほどの菜の花が見えた。この色だ。順光でしかも室内の黒がきいているからナノハナそのものはかなりの露出オーバーのはずだ。屋外でこんなことをやれば遠景は皆飛んでしまう。三上山と太郎坊山、”とにかく記録を”と駄目を覚悟で撮ったのだけど、どだい話にはならない1枚だった。
       
   写真ステージ 「近江富士」

 
三上山撮影のついでに・・・

近江名所全集

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