山を越す鳥
大津市本堅田1丁目
漁港から湖岸を浮見堂の方へ歩く。浮見堂の南隣りに
石組みで一段高くなっている広場がある。GooglMapでは堅田藩陣屋跡となっているところである。湖岸からの高さは私の身長より少し高いから2mそこそこということだろうか。いま見てもらった写真は石段を登る前、湖面には水鳥の姿もまばら、ほとんど動きもない状態だった。
さてそのあとである。石段を登るのにものの5秒もかからない。そこを上り切った時である。うしろから激しい羽音が近づいてきた。何10羽、いや何100羽といってもいいかもしれない、カモの大群である。この鳥がどこから現れたのか。今石段を登りだす前は鳥の姿そのものも見えない静かな湖面だった。慌ててカメラを構えたときには、鳥は大半が通り過ぎていた。連写で残ったのは後半である。私が使っているカメラには、連写はHとLの2種類があり、いつもはLにセットしている。それで9枚のデータが残っている。
おびただしい数の鳥が通り過ぎた。三上山の上も下も、とにかく群れをなして通り過ぎた。少なくともほとんどのデータに山の上(画面上の空の部分)を飛ぶ鳥が写っているはずだった。しかし現実にそれが写っていたのは標題写真の1枚だけ。これだけの鳥が飛べば、上を越す鳥が半分ぐらいいても当たり前だとの勝手な思いが先立っていたのだろう。その感覚を狂わせたのは、この陣屋跡広場の2mほどの高さだったと今になって思うのである。人間の目がいかに不正確なものか思い知らされたことである。
写真ステージ 「近江富士」
三上山撮影のついでに・・・
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば
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