モヤにかすむ
野洲市三上
連日の好天でモヤが多くなった。逆光の中に三上山が白くかすむ。こういう状況に出くわすといつも思いだす1枚がある。三上山を撮りだす前だったか後だったか。富士山写真の大家・岡田紅陽の『富士』の中の1点 ”すすき”である。まばらなススキの穂を前景に、うっすらと
見えるか見えないかの富士がかすんでいる。こんな写真を撮りたい、以来40年を越えた。
当時に比べれば写真ははるかに簡単になった。レンズはちょっとひねれば写角は自由。撮った写真をその場で確かめられる。具合いが悪ければ調整しなおせばいい。それでいてあのときに見た”見えるか見えないか”の富士は撮れない。今の私たちはどうしても機械を頼りにする。その結果どうしてもあの写真のようなものは撮れないと。大事なことはその状況を探しだすことである。
写真ステージ 「近江富士」
三上山撮影のついでに・・・
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