古武士咲く

「辛夷咲く」の間違いじゃないかといわれるかもしれない。さくら墓園と大山川との境に生えている古木である。花の時期になるとどうしても足を向けたくなる。その木が今年も花をつけた。樹齢はどれぐらいになるのだろう、素人の私にはわからないが、少なくとも40年や50年ではないはず。私がこの木を作品として最初にカメラに収めたのが、1991年4月。凛としてその時すでに古武士の風格があった。
それ以前1980年代に大山川の整備が行われ、今のさくら墓園の外周(三上山側)を大きく巻いていた大山川が、いまの直線ルートに着け変わった。その直後だった、この木が忽然と姿を現したのは。それ以前は川とバス道にはさまれた森の中に埋没していたのだろう。
大山川対岸から見た古武士の位置。撮影位置は木の手前下、自転車道のこちら側。一歩間違えば川底へというぎりぎりのところ。
写真ステージ 「近江富士」
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