方位36度線・結

昨日の場所からもう少し下がったところ。望遠レンズ版である。一番手前が愛知川の堤防。その次が安土山、平地からではこれが邪魔をすることがよくわかる。
実は、この荒神山林道からの写真がもう1枚ある。2008年、朝日新聞・あいあい滋賀に”三上山物語”連載していた時のもので、晩秋の夕日を狙ったものである。どうしてこのように下部を切ったのか。たぶん愛知川の堤防を嫌ったのだろうが、いまとなってはその事情は思い出せない。
以下は写真に添えた文章の一部である。
----山頂まで林道が通じているが、樹木が茂って三上山方面の眺望はなくなっていた。去年、秋も終わりのころ、アウト覚悟でもう一度行ってみた。冬型気圧配置が強まった日のことで、林道には落ち葉が舞い散り、ラジオが「木枯らし1号」を報じていた。
と、思いもかけず視界が開けた。工事で木が切られていたのである。頭上には暗雲が厚く、雨も落ちてくるというのに、南のほうは晴れていた。折から差し込む最後の夕日。一瞬、近江八幡市街が照らし出され、その向こうで三上山が燃えていた。----
昨日見てもらった1997年撮影の後、数年して視界が悪くなり、2008年に行ってみたら、木が切られていたということである。その2008年の場所が今日の標題写真の場所と同じ場所であるという話。三上山と安土山との関係。その先端に建つビル。暇な時に見くらべてもらうのも一興。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば


方位36度線・12

昨日の東近江市阿弥陀堂で36度線(厳密に言えば34度線ぐらいだけど)は愛知川にぶつかる。ご多聞にもれずこの川も天井川である。県道194号・葉枝見橋が通行止めだったけれど、他のルートで愛知川を越える。36度線はさらに北東へ伸びる。そしてぶつかるのが彦根市の荒神山である。その麓の彦根市稲里町あたりから見た三上山。愛知川の堤防が邪魔をして前山の田中山・城山は見えない。
稲里町から山頂まで林道荒神山線が山頂まで通じている。様子を見るためにとりあえず山頂まで上ってパラグライダー用の広場でターンして戻って来た。標題写真は最初の大きなカーブを曲がって南側へ出てきたところからである。
ここへ初めて登ったのは、1990年後半だったからかれこれ20年になる。山の様子はずいぶん変わっている。初めて行ったときは、林道のそばに車が2,3台置ける広場があってそこから南側が見えた。それがこの写真・1997年9月撮影である。画面を横切る緑の線が愛知川堤防。もう1枚。こちらは望遠を使っている。愛知川の手前にぽこんと四角い森(地図によると、稲枝中学校近くの川桁神社らしい)が見える。それが今回の標題写真では左の方、木の枝と重なって見えるから、20年前に比べると撮影位置が右へ寄っているようである。それにしても愛知川の堤防は扱いにくい。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば


方位36度線・11

このとき愛知川に架かる葉枝見橋が通行止めとかで、小川交差点から彦根寄りは通行止めになっていた。「橋の手前まで行きたい」というと、どうぞ行ってください。集落の入り口には、”ここは阿弥陀堂”という手作りの標識がかかっていた。通り抜ける車はなく静かだった。
集落内を通る県道を通して三上山が見えた。道路がカーブしているから道際から撮っているように見えるかもしれないが、実はこれで道のど真ん中に立って撮っている。普段の日ならできない芸当だった。方位34.2度。前山に対して少し右へ寄っているようである。もうちょっと左へ寄れないかと歩いてみたが、多少数値は動くが、前山との組み合わせはほとんど変わらなかった。
集落の背後はすぐに愛知川の堤防である。どういう事情かわからないが、左岸(三上山側)の樹木が伐採されていた。下流に向かって数100m歩いてみた。山の見え方は目で見た限りではほとんど変わらなかったが、写真でしっかり見てみるとやはり右へずれているのがよくわかる。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば


方位36度線・10

県道は伊庭内湖の南東側を通り抜けて北東向きに進む。いつの間にか194号と名称を変えている。どうやら昨日の金毘羅橋を境に変わったらしい。途中、「小川」という信号があって、その前後500mほどしっかりした川に沿う。名前を調べてみたら大同川だという。大同川といえば伊庭内湖から琵琶湖に注ぐというイメージが強い。例の大水車の川である。ここはその上流ということになるらしい。
小川という交差点が県道192号との交わるところ。そのそばの橋の上から見ると下流側の向こうに三上山が見える。だけどすぐ下流側にもう1本橋があって絵にならない(写真では望遠を使っているので目の前に見えるが、実際には100mあまり離れている)。その橋まで歩いて撮ったのが標題写真。右側に電柱が並んでいるのが県道194号沿い。左側、黒い山裾が安土山のはずだが、城山とうり二つの稜線が見えた。撮った時は無意識だったが、こうしてみると大きさまで同じに見えるから面白い。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば


方位36度線・9

昨日の場所から県道526号を500mほどバックする。金毘羅橋という橋が架かっており、そのたもとにどこかの神社のお旅所がある。ズボラな書き方をしたが、近くの三社の合同お旅所らしい。合理的だ。祭りの日が違えば、これで事足りるのだから。
岸辺がちょっとした公園になっていて、クルマが数台止められるスペースもある。きぬがさトンネルあたりから流れて来た須田川が伊庭内湖に流れ込むところで、ちょっとした水郷風景である。小さな船がつながれているが、それを画面に入れようとすると三上山が小さくなるのがつらいところ。この写真などは太陽まで欲張ったから、余計しんどくなっている。どちらかに割り切らなければ…いつも教室で言っていることだけれど。方位を調べてみると33.3度。明らかに手前2つの山に対して、三上山が右へ寄っている。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば


方位36度線・8

方位36度線後半戦。
東近江市五個荘町から繖山をトンネルで抜ける。県道2号とクロスして、琵琶湖の方へ進む。最初のうちは安土山が邪魔をして三上山は見えない。安土山の裾から姿を現すのが方位35度あたり。36度よりすでに若干右へ寄っている。
この写真の撮影現場は県道526号(西の湖と大中干拓地との境から北東に伸びてきた線)との交差点の少し手前である。方位でいうとほぼ34度。城山・田中山の前山に対して、三上山が少し右へ寄っているようである。それを何で判断するか。三上山の左右の鞍部の高さで判断ができる。いまの場合、左より右の鞍部が若干高くなっている。36度きっちりの場合は、大体左右が同じ高さになっている(36度きっちり、西の湖東岸・観光船発着場付近)。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば


帰り道

きょうはホンマにエエ天気やった。雪も適当に残っていて楽しかった。竜松にも会えたし。遠くの風景もよかった。そうそう岩場の影の雪もよかったなー。こうして無事に帰ってくることができたし。ゆうことなしやった。でもこれで何かが起こればみんなに迷惑をかける。いつまでもこんなアホことやっとったらアカンな。
と、殊勝なこと考えながら駐車場まであと50mぐらいのところまで帰ってきた。おおエエ光や。往くときよりシャープになった。太陽がちょっとだけ右へ回ったのかもしれんなー・・・・、きょうはゆうことなしやった、とぼけーっと上を見ながら歩いていたら、右足がガタッと来た。半分カメラを落としかけてよく見るとイノシシが掘った穴だった。馬鹿モーン、人が通る道に穴掘りやがって、今度会ったらショウチせんぞッ!。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば


竜松

ここまで来たのだから竜松が見たくなった。すぐ近くの岩場に生える松の木だ。以前は花緑公園のふるさと館の前からもその姿が見えたが、そういえば最近はあまり意識しなくなった。北尾根重走路を行けば大した距離ではない。雪があるといっても靴にかぶるわけではないし。しかし、直下までは行ったが岩場が立ちふさがる。こんなにきつかったか。若いころならともかくこれは無理だ。振り返ったら雪道と三上山の対比が見事だった。
たしかすぐそばを通る遊歩道を行けば巻けるはずだ。と、裏から回って登りついたのが標題写真。例の竜松は枯れて小さくなっていた。わが身を見る思い。この前はと調べてみた。2012年11月、こんなに元気だったのに。 命あるものはすべて滅びる。万物流転、諸行無常。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば

