新緑

野洲市北桜の農地から見た三上山。新緑のこの時期、落葉樹と常緑樹の色分けがはっきりする。私が三上山を撮りだした1970年代後半には山全体が常緑樹に覆われていた。それがいつのころからか落葉樹化がはじまり、いまでは下半分ほとんどが落葉樹化してしまった。
京都から野洲へ引っ越してきたのが1970年、三上山を撮りだしたのが1976年。その間35mmのモノクロームで撮ってはいた。それをカラーに変えたのは、山の色が一年中を通して変わらないからだった。暗緑色一色の当時の山からは、今の新緑は想像できない。これを赤外線フィルムで撮ればどう写るのか。いま赤外線フィルムは販売されているのだろうか。探してやってみたい気がするが、・・・参考のために、赤外線で撮った上高地からの穂高、ちょっと変わった写り方が魅力だった。
写真ステージ 「近江富士」
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日野川河口

日野川河口、湖岸道路日野川大橋の左岸寄り、カメラのすぐ後ろは琵琶湖である。三上山から見てほとんど真北に当たる。晴天の日なら、正午前後には水面がきらきらと光る。このときはあいにく曇っていて、光の乏しい風景になった。橋自体はしっかりしているが、それでも車が通ると上下に振れる。その上に風が強い。レンズを長くすると止めるのが難しい。橋桁の上に立てば上下動は防げるが、カメラ位置に自由がなくなる。難しいところでである。
画面を拡大すると画面奥に橋が見える。野村橋である。撮影地点の日野川大橋もそうだけど、野村橋も両岸とも近江八幡市である。普通こういう大きな川は県境、市町境である場合が多いが、ここではそうはなっていない。上流へ行くと左岸が野洲市、右岸が近江八幡市と定まってくるのだが、河口付近は単純にはいかない。流路の変更等によるものであろう。
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空へ抜ける

高島市の湖岸、近江白浜と萩の浜の中間に鯰川という小さな川が流れ出る。南から行くと萩の浜水泳場の松並木が途切れ四高桜の並木に変わるところだったが、それが移植され道が広くなった。という場所であるけれど、きょうの話には周りの状況は関係がない。その場所から三上山が見えればよいのである。
実はいま、『湖国と文化』誌に載せる一文をまとめている途中で、30Km,40Kmと遠距離からの三上山の姿を撮っている。三上山は平野に突き出た独立峰だといわれるが、湖南地域に限って言えばそれも意味はあろうが、滋賀県全体で見れば決してそんなことはない。それよりもむしろバックの連山に埋没して姿が見えにくいのである。その中にあってこのように三上山が空へ抜ける風景は貴重である。たとえばここからさらに北東へ、安曇川南流近くまで進むとこのように沈んでしまう。風景全体のよしあしは別にして山の存在感だけを問うならば、抜けるか抜けないか、ほんのわずかな差が大きいのである。
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田植えの準備

琵琶湖畔、日野川と家棟川に挟まれた農地である。地形的に言えば日野川デルタの一部というところだろうか。何遮るものもない広い農地に水が張られているところ。一枚の田んぼ一杯に水を張るのに、どれぐらいの時間がかかるのだろうか。もっとも流路の水量にもよるだろうけれど。
風景としては遠景の金勝山系から阿星山。三上山の右には近い山はなく直接金勝山系にぶつかるが、左には菩提寺山や天山、田中山、城山などが複雑に絡み合う。右と左で山の様相がガラッと変わる面白いところである。
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青柳浜水泳場

旧志賀町・青柳浜水泳場からである。湖西の湖岸から見ると、目の前が琵琶湖で、鈴鹿山系や金勝山地をバックに三上山が立つ。どこから見てもこの構図になる。あまり魅力がないので積極的に場所を探し歩くはしていなかったが、今回距離にこだわってみて、「三上山から20Kmの湖岸」という条件でここを引っ張り出してみた。
2003年10月、びわ湖ウォークの第1回目でここを歩いているはずだが、何の記憶もない。国道161号、と書いて待てよ?と調べてみたら、堅田から志賀駅口までは県道558号になっていた(山手を走る湖西道路が161)。しかしカメラの位置は滋賀駅より北、ここは以前のまのま国道161号。ややこしい。
脱線した。国道161号の信号「大物」から細い里道を抜けて浜で出たところである。無住の家屋があり通路が通行止めになったりしていて、ここがただしく青柳浜水泳場かといわれると心もとない。しかし、私はその場所にこだわっているので、横を通り抜けて浜へ出た。三上山の山麓に町が見える。近江八幡の市街かと思っていたが、帰って地図を調べて、わが野洲市であることが分かる。画像を拡大してみると京セラやオムロンの建物(三上山右裾の白く明るい建物)がはっきりと見える。野洲川の河口が見えないかと探したが、わずかに右へずれているらしく、この画面には入っていなかった。
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強風の日

今回の晴天ゾーンに入る最後の日だった。午前中はまだ小雨が残ったりしていたが、午後からは回復すだろうとの予報。長浜市の湖岸からの写真がほしかったので出かけていった。こういう遠距離撮影は晴天になってしまうと苦しい。空気がかすんでしまうのである。雨がやんで晴天になるまでの間、いわゆる回復期がベスト。
にらんだ通り山はきっちり見えたが、強風が吹き荒れ湖上は波が荒い。船で湖上へ出ようとゆうのではないから、波が荒いのはむしろ歓迎だが、風が強いのには閉口した。三脚を立てる間にも身体が吹き飛ばされそうになる。クルマの陰でセットを終えて浜へ出る。さらに強風。やわな三脚ではないはずだが、この日だけはとらえた山がびりびりと震えた。
場所は長浜バイオ大学の近く。冬の季節だとこういう好天の日でも波間に水鳥が浮かぶのが見えるがさすが春、鳥の姿は全く見えなかった。三上山の右にほぼ同じ高さの細い塔が見える。荒神山の近くに立つアンテナで、たしかKBSの送信所だったと記憶する。右に田中山、左に城山。近江八幡市安養寺付近から見るのと同じ配置である。
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環状交差点

現場の標識には「ラウンドアバウト交差点」とある。分かったようなわからないような。日本語では、「円形交差点」とか、「環状交差点」とかいうらしい。守山市立田町、JAおうみんち近くの交差点で試験的に運用されていたものが正式に採用されることになったらしく化粧直しが行われた。
交差点にさしかかった車は減速して左へ、ドーナツ型の環状道路へ入る。あとは自分が進みたい道路まで右回りに進む。180度回れば直進になるし、270度走れば右折することになる。もちろん360度回れば合法的にUターンできる。ぐるぐる回ってF1レース遊びをして、目を回して事故を引き起こすヒマ人の出現も予測されるが、今のところはまだその話は聞いたことがない。
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菜の花畑

浜街道近くの守山市赤野井町の農地に見事な菜の花畑が出現した。入り口に立て看板があって、「守山市菜の花プロジェクト」菜の花栽培地・・守山市では資源循環型社会をめざし菜の花プロジェクトの事業に取り組んでいます・・・とある。くどい文章だが、要するに守山市がやっているということらしい。道路に面していて車で走ればいやでも目に入る。しかしそこへ車は置けないし、細い農道に他に車がやってこないことを確かめて…ということになる。画面に写っている男性は自転車でやってきてのんびりしているが、こちらは別のクルマがやってこないかそちらの方に半分以上意識が行ってしまう。
ミツバチの箱が置いてあったりして多少変化が出たが、菜の花はやっぱりこういう平面的な畑よりは、堤防のように変化がある地形のほうが生き生きとしている。私には細かいことはわからないが、花の種類も違うのだろうけれど。もう1枚おまけ。
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