2016年08月26日
坂本ケーブル

実はこの南善坊詣では、パノラマ展望板がどうなったかを確かめようとの思いがあるにはあったが、もう1つ坂本ケーブルと三上山との絵を作ろうという思いが別にあった。10何年か前、初めてここを訪れたとき、谷を隔てた向こうの斜面をケーブルカーが上り下りするのを見た。これはものになるとは思ったが、その後はタイミングが合わず、いつの間にか足が遠のいた。
今回行ってみて驚いた。前の谷が見えないのである。手前の斜面にススキとクズがはびこって、どうにもならない。目の大きな網で押さえてはあるがそんなことぐらいではおぼつかない。ケーブルが見えたのは、対岸の斜面、それも谷底に近いところだった。さて、冬になってこれらの草はどうなるのか。あちこち場所を探し歩いて、何とか見通しが効くのがこの場所だった。左下、杉林の中に見える屋根が山麓駅だ。これだと、手前の斜面の草は解決したとしても向かいの斜面の杉が伸びて完全にアウトだ。10年の年月は大きい。ケーブルの路線を隠すぐらいに杉が伸びる。そのときは本当にそう信じていた。
あきらめて帰路につく。10mほど下ったところで、待てよ。手前の斜面の杉の木が切れる。そうだこちらの隙間だった。クルマを降りて確かめるとまさにその通り、谷の底を道が走る。ケーブルの下をくぐってヘアピンカーブを描きながらこちらへの斜面へ上ってくる道だ。そこだけ杉の木が切れている。手前の斜面の草の伸びは誤算だったが、それ以外は昔とほとんどそのままの風景だった。帰り際になって初めて昔の感覚が戻ってきた。
写真ステージ 「近江富士」
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Posted by 八田正文 at 08:11│Comments(0)
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