2017年10月24日
よく頑張った

台風21号、超大型。今回の台風の進路が伊勢湾台風に似ているといわれていた。当時住んでいた京都伏見のボロ家で真夜中に1.5m四方ほどの壁が抜けた。どうして朝を待ったかいまとなっては記憶もないが、近鉄名古屋線が甚大な浸水被害を受けた。当時狭軌だったのを、復旧作業と同時に標準軌間に取り換えるという歴史に残る離れ業をやったいわくつきの台風である。今回の台風も、湖西線のコンクリート製の架線柱が根元から折れたり、マキノのメタセコイヤの何本かが倒れたという。
となればあの木は大丈夫か。午後から晴れ間が出てきたのでご機嫌うかがいに。祠が取り払われた小川沿いにたった1本立ちつくす桜の木。今年の春には花も咲かせなかったので、ひょっとしての思いもあったが、とにかく何の変化もなく立っていた。変化したのはこちらの足。稲刈りが終わった田んぼだから、若いころなら難なく定位置まで行けたはずだが、まだ水が残っている田んぼの細い畦に思わず足がすくんだ。構図の違いはそのせいである。
帰りの農道、何事もなかったように二羽のセキレイが遊んでいた。まわりはただの空き地と化した工業団地予定地。こんな中であの台風の夜を過ごしたのか。よく頑張った木も鳥も。
写真ステージ 「近江富士」
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Posted by 八田正文 at 09:33│Comments(0)
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