2018年04月08日
陰を感ずる

右端に見えるのが西林寺の本堂。その左に桜が見えるといえば,アホか何考えとんねんと一蹴されるはず。いや、そのアホなことをここへ来る今のいままでまじめに考えていた。夕日を受けて見ごとに輝いていたのが記憶に残っていたからである。しかし記憶は写真には写らない。これはダメ。日が当たっていないはずはないのだが、花が弱かったのだろう。
しかし、花を輝かせなかった弱い陰りが面白いことを演出してくれていた。その花のてっぺんから見えるか見えないかの淡い緑の線が左上へ上がっていく。いちばん外側の稜線の少し内側を下から3分の2ぐらいまで見える。右の雌山が淡い陰になり、日が当たっている手前の緑の線との間に明暗差をつけているからである。
この緑の線こそ、私がいう西尾根、御上神社側からの表登山道に当たる。そして、さらに付け加えて言うなら、下から登ってくる外側の稜線に、上から3分の1ほどの間、神さんが削り残したような薄いふくらみが見える。実はこれ、稜線の膨らみではなく、南桜側へ下る南尾根の最上部が稜線越しに見えているのである。サクラはスカを喰らったが、めったに見られない雲の演出にしばし目を細めたことだった。
写真ステージ 「近江富士」
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Posted by 八田正文 at 09:50│Comments(0)
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