2018年06月01日
大きな矢印

あれは昭和30年代の前半だったか、カメラ雑誌のグラビアページで見た写真(カラーのページがあったかもしれないが、その写真はモノクロだった)が忘れられない。真っ黒な空をバックに巨大な看板が立っており、それに真っ白なでかい矢印が一つ。右向きだったか左向きだったかは忘れてしまったが、それが示す先には西部劇で出てくる巨大なサボテンが2,3本立ち並んでいる、という写真である。それが交通標識だったと理解できたのは何年後だったか。
解説ページには、ワイドレンズの使用例だとかだったが、ズームレンズはおろか、交換レンズすら話に聞くだけで、現実にはカメラに固定された50㎜の標準一点張りの時代。カメラも風景も、およそ現実からかけ離れた写真だった。
南からの光をいつも背面に受けて陰になるこの矢印、朝早くいけば明るい光が得られることはわかっていながら、ついついズボラが先に立つ。難儀な人間になり下ってしまった。
写真ステージ 「近江富士」---- 鳰の浮巣5月22日版UPしました。
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Posted by 八田正文 at 07:05│Comments(0)
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