2014年11月27日
風景の遊び・2

きのうの続きである。どこの公園だったか忘れたが、土管を横たえて子供が潜り抜けるように整備されていた。単純に見たところ三上山が見通せるように感じられた。これはと近寄ってよく見ると、ほんのちょっとのずれでアウトだった。もっとも子供は中を通れるから、入り口では見えなくても出口近くになればちょっとずれたところから三上山が現れる。まあ、それはそれでいいのかもしれないが。土管に入った時から真正面に見えているのと、奥へ進んでから横から現れるのとでは、設計者の遊びとしてはどちらが楽しいのだろう。
私が知る限りにおいて、いちばん楽しい風景の遊びができるのは地球の森の設計者だと思う。旧野洲川南流跡の半分ぐらいの土地を使って、自由に風景が設計できるのである。標題写真、ここは地球の森の南端、JAおうみんち前のいわゆる浜街道から北西へ450mほどのところ。わざわざ堤防の盛り土をして標高を上げ、恒久的な橋を架けたところである。下を見れば唯の空き地である。たかが公園内の遊歩道、それもただの空き地にである。この恒久的な構造はなんぼ何でもやり過ぎだろうと考えたが、周りを見渡すと意味が分かってきた。草津からやってくるメロン街道がこの下をくぐって野洲川の幸浜大橋につながるらしい。それをまたぐための恒久橋ということらしい。
それはいい、いくら公園内の遊歩道とはいえ、下を幹線道路が通るとなれば木の橋でいいというわけにもいくまい。それはわかった。この写真は、その恒久橋の最高点、いいかえれば地球森全体での最高点にもなるわけだが、そこから見た三上山である。さすが最高点からだけあって、木々の上に三上山が見える。しかし木は成長する。いつまでもこの風景が保てるか。設計者の”遊び”が問われるところである。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば


Posted by 八田正文 at 08:05│Comments(0)
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