2016年06月03日
ずんぐり山

国道1号石部のほうから名神の高架をくぐって下流へ下ったところである。野洲川の堤防林に邪魔されてほとんど山は見えないが、伊勢落という信号までの手前50mほどの間だけ藪が切れる。条件としては決して悪くない場所だが、惜しいかな山がずんぐり見える。左右に圧縮されてスマートさがないのである。たとえば昨日の山の形に比べれば、はるかに鈍重である。それともう一つ苦しいことが、この区間歩道は川と反対側についている。だから歩道から撮るとこんなイメージでガードレールが邪魔をする。往来の激しい国道で、左右を確かめクルマの隙間を探して向こう側へ渡り、シャッターを切って戻ってこなければならないのである。
さてこの日は、ふと思いついてずっと下流の国道8号あたりから歩いて遡ってきた。以下はその帰り道の話である。その間距離にして2Km近く、ずっと竹藪が続き山は見えない。歩いている目の前へオニヤンマがやってきて何事もないようにすっと枯れ枝に止まった。1,2歩進めば手が届くような距離である。とりあえず1枚撮ってそーと近寄ってみた。まだ逃げない。その昔、ぎおう教室にいて、鳥や昆虫を撮っていた西岡さんはいっていた。「身体を近づけると逃げるが、手を伸ばしてカメラだけなら近づけても逃げない」と。いわれた通り手を伸ばしてカメラを近づけた。羽化したばかりかと思ったが羽などは結構汚れている。お互い生きるということはつらいことなんだ。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば


Posted by 八田正文 at 10:41│Comments(0)
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