2017年01月13日
小さな土蔵

金勝山地のすそ野に当たるこのあたりは、尾根の終端部が何本か消え残ッている。右の陰になっている部分がその末端である。だからちょっと隣の谷までと思っても、ぐるーっとその先端を回りこんで行かなければならない。最初地理不安内のころは、それが不思議で仕方がなかった。地図で直線距離を読めば大した距離ではないのに、いざ道をたどるとなると思いのほか遠いのである。
そういう地理的環境のためか、意外と風景が変わらない。たとえば画面右、丘の上に見える白壁の土蔵などは、いつ見ても懐かしさを感じさせる。何もわからなかった初期のころには、もうちょっと大きくしたいと田んぼの中を無理をして近づいてみたりもした。なるほど土蔵は大きくなる。しかし背後の尾根も同じように大きくなるから、その向こうの三上山はますます見えにくくなる。いろんなことを教えてくれた場所だった。
写真ステージ 「近江富士」
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Posted by 八田正文 at 07:27│Comments(0)
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