2017年08月03日
メガネ木受難・2

近江富士百景「めがね木」、撮影は1977年。写真集発行は1994年10月。17年の隔たりがある。その間に木のすぐそばを県道504が開通し、中国塗料のネットが立った。
いま思うと『近江富士百景』はいい加減な編集をした。1976年以来撮りためたフィルムを選択するだけで、現場を見直すことなく、記憶だけで文章を書いた。今確かめると大きな間違いが随所にある。2000年になって、それまでの写真集をデジタル化しようと思い立った。『百景』の間違いをただすつもりで、すべてのポイントを再確認して歩いた。その仕事の一環として、2002年、このメガネ木を訪れた。木は成長しいつの間にか中年太り。何とも情けない姿になっていた。その時撮った正面からの姿。川の向こうは竹藪である。現在の状況。
上半身を切られたメガネ木は、さいわいメガネ部分を残している。40年前と同じ構図で撮ろうと思えば撮れる。しかしこれでは何ぼなんでも無理だろう。そのイメージを残しながら、何とかならないかとひねったのが標題写真である。
写真ステージ 「近江富士」
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■滋賀を歩けば


Posted by 八田正文 at 09:44│Comments(0)
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