2017年12月07日
何やこれ!

撮ろうと思うこと自体どだい無理な話である。それは初めから分かっていた。が、このときは黄葉の色に負けた。川の岸に立つケヤキの木。見事な黄葉だった。いまのこの写真(橋の写真・三上山は左遠方にある)でいえば、画面右外の遠いほうの岸に立つのが常識。それでも近い。可能ならばその2倍も3倍も離れたい。しかしそのすべてが無理だった。それならば止めるのが本来の考え方。しかしこのときは無理でも何でも一部でいいから撮ってやろうと思った。
1960年(昭和35年)秋。一人で涸沢から奥穂へ登った。上高地ですでに雨だった。その中を半日歩き続けて見た屏風岩から涸沢への全山黄葉。俗な言い方だけどその色が脳裡に焼きついた。以来、秋は黄色でなければならないと思っている。目の前に立つ黄葉が50数年前の記憶をよみがえらせた。理屈ではない。とにかく撮ろう。80ジジイの郷愁が撮らせた写真である。いやいや、何とも恥ずかしい。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば


Posted by 八田正文 at 09:19│Comments(0)
│山・写真