2013年12月22日
蜃気楼異聞

12月22日。きょうが冬至。一陽来復。太陽が戻り始める。
古い写真を探していて、おもしろいものを発見した。2010年12月24日。北から帰ってきて、白髭神社あたりで、琵琶湖大橋が凸レンズ状に見えるのに気が付いた。琵琶湖の蜃気楼は珍しいことではないが、この日は特に見事だった。北小松漁港の広場に車を止め、水鳥の遊ぶ向こうの大橋の撮影をした。その写真にびわ湖タワーの観覧車が写っていた(下の写真左側)。その時どう考えていたか。何の記憶もないが、今となっては面白い記録である。三上山の写真はそのときの「便乗写真」である。下右の写真は今年12月12日の撮影。
★蜃気楼異聞
もう10年以上も昔の話である。高校で非常勤講師をしていたころ、「これどう教えたらいいのでしょうか」と若い女性の先生が英語の教科書を持ってきた。教科書の内容を訳しても、その日本語を生徒がわかってくれないという。ほとほと疲れ果てた表情である。見せられた英文は「Mirage」というタイトルだった。そんなもの見せても私にわかるはずもないのに。
聞けば蜃気楼の原理だという。それはわからないはずだ。空気の密度によって光の速さが変わるという話から説き起こさなければならないわけで、そんなこと考えてみたこともない英語の先生が、なんぼ日本語でしゃべっても高校生が理解できるはずはない。教科書会社も罪なことをする。
話が一段落したところで、その先生が、「蜃気楼てホンマに見えるんですか」という。「それは見えますよ、琵琶湖で冬の晴れた日ならたいがい見える」、「うっそー」、「嘘じゃない、ボクはウソとちょんまげだけはいうたことがない」。
後日、その当時フィルムで撮っていた凸レンズ状大橋の写真を焼いて持っていった。ボクの写真が英語の授業に役立った唯一の例である。それを見て生徒がその英文を理解したかどうかは別の話である。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば


Posted by 八田正文 at 09:52│Comments(0)
│山・写真