2016年02月19日
浅はかな一枚

その日は朝から薄日が差したり陰ったりする天気だった。午前11時ごろだったか。所用でJR電車基地横の道路を走っているとき、三上山がいつもとは全く異なった色を見せているのに気がついた。薄日が差しているときで、淡いライトブルーとでもいえばいいのか、透明な明るい色で霞がかかった空の色と溶け合うように見えた。カメラを持っていないことを悔やんだ。片道5分、いくら早くても往復には10数分はかかる。いつもの経験からして絶対無理な条件である。しかしそのときは、”絶対無理であった”ことをこの目で確かめたかった。
とって返す途中、その昔野洲から伊吹山が見えるのを確かめて、これならと立木山へ急いだときのことを思い出した。そのときは幸いにも伊吹山は見え続けていた。しかし、今度は違う。現場へ戻ったときには、予測通りもういつもの色に戻っていた。伊吹山の一件のときはある程度安定した気象条件の中にあった。しかし、いまは違う。全くローカルな一部地域の現象である。そんな特殊な条件がだらだらと続くはずはない。それがいつまでも続くなら、それはもはや特殊ではない。さっきのあの色は何だったのかと、あきらめきれない凡人の浅はかな一枚である。
写真ステージ 「近江富士」
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Posted by 八田正文 at 07:56│Comments(0)
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