2016年03月27日
雄琴川河口

久しぶりに国道161号を堅田から南へ走った。ほう変化しつくしたと思っていた風景がさらに変化していた。雄琴川河口近く、釣り船でにぎわう山下湾を越えたあたり、ここだけは変わらないだろうと思っていたところに、新しい大型商業施設ができていた。建物の間から肩身の狭い三上山が見えた。それが標題写真である。”変わらないと思う”のが年寄りの偏見で、変わって当たり前だったのである。
山下湾を抜けると右側に1つの蔵が見えてくる。これが目印だった。その蔵はいまも見えるが、これを越えると左側に雄琴川のデルタが広がってくる。1970年代の後半、雄琴川が改修される前、堤防もほとんど目立たず琵琶湖まで水平な稲田んぼが広がっていた。そこに裸の木が点在する冬の風景は秀逸だった。そのころまだ40歳代前半、若かった。冬の日曜日、暗いうちに家を出て、ここへ通うのが楽しみだった。そのうちの1枚である。その日、低かった雲がわずかに明るくなっただけで、いつまでたっても太陽は昇らなかった。腹たちまぎれの1枚だが、いまとなっては懐かしい。
昔の写真では、右側に十二坊の尾根が水平に伸びている。山の形で場所を確かめたいのだが建物が邪魔をする。さいわい裏へ回ると広い風景がまだ残っている。山の右に大きな木が重なってしまったが、山の形は大差ないようである。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば


Posted by 八田正文 at 09:00│Comments(0)
│山・写真