2017年01月08日
枯草の向こうに

「栗東市伊勢落」の地名。この日乗で1、2度出てきたかどうか、ひょっとしたら初めてかもしれない。あまり聞かない地名だけど一口でいうと、野洲川左岸、石部の下流ということになる。境は名神高速道路。『近江輿地志略』によると、”野洲・甲賀・栗太三郡の堺也、然れども当村は栗太郡なり。相傳古は伊勢大路村と號す、近世伊勢落の字にかき改めむるという。”とある。お伊勢参りと何か関係があったのかもしれない。地図によると甲賀・栗太二群はいまでいう湖南・栗東両市、この2市が川向う(右岸)の野洲市と野洲川のなかほどで交わっている。まさに”野洲・甲賀・栗太三郡の堺也”である。
とにかくこのあたり採石場が多い。ここもおそらくその跡だろう。きれいな枯草の向こうに三上山が見える。野洲川流域の分水嶺を尋ねてここへ来た。それをしなかったら、多分この場所は知らないままだったろう。 画面右に見える電柱の列が名神の側道的な道路。その道路から見たところ。軽トラが走るのが旧東海道。その角に手作りの常夜灯が傾いている。その気になって見ると「伊勢落」の字が読める。このあたりは昔、銅山があったとかで、「石部の金山(かなやま)」といわれ、”石部金吉”の語源になったところだという。
写真ステージ 「近江富士」
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Posted by 八田正文 at 11:13│Comments(0)
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