桜並木

近江八幡市八木町から加茂町にかけて、およそ1,3Kmの間、農道沿いに桜並木が続いている。その間、県道2号と直角に交わる。これはその県道2号から並木越しに三上山を見たところである。何時ごろに植えられたのは記憶がないが、か細かった木がようやく力をつけてきて、しっかり花をつけるようになった。
現場に立つと長い並木道が見えるのだが、その方向が三上山への視線とほぼ直角方向なので、木をそこそこの大きさにしようとすると標題写真のようにせいぜいが2,3本しか画面に入ってこない。たくさん入れようとすると木が小さくなってしまうという、難儀な場所である。
写真ステージ 「近江富士」
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回復せず

長命寺港から宮ヶ浜国民休暇村へ向かう岬沿いの道路である。最初の岬を曲がって200mほど行くと湖岸沿いにクルマが2,3台止められる空き地があって、そこに何かの計測用かと思われる小屋が建っている。毎年桜の時期の定点撮影の場所である。
ここの写真が正式に記録として残っているのは2004年撮影のこの写真である(『近江富士まんだら」収録)。いまから10年前だけれども、この時の桜は見事だった。この前後が最盛期だったのかもしれない。
それ以後の写真を羅列してみる2008年(あいあい滋賀連載『三上山物語2011年。しっかりした花をつけたのはここまでだった。1年おいて2013年になると風による害だろうか、しっかりした枝が2本ほど折れているのが目についた。花の勢いが急に衰える。
今年(標題の写真)は多少回復しているかと期待したが、ほとんど変わりなし。岬めぐりの他の桜がこんなに元気なのにである。
写真ステージ 「近江富士」
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毎度おなじみの

おなじみ大山川左岸堤防である。べた光線の味のない写真だけど、こういうときぐらいしか撮ることがないのであしからず。クルマが止まっているところが駐車場。当り前の話でけったいな解説だけど、要するに不法駐車ではないということ。何台止まれるのか勘定したこともないが、とにかくここへ行って未だかつて車を置けなかったことはない。
堤防の石積みと桜並木は、ここから下流へ向けて県道27号の近くまで約600m続く。中でも画面左に写っている木が一番存在感がある。側道を歩くと堤防の上の桜を苦労もなくローアングルで撮れる。画面右外、駐車場入り口に地蔵さんコーナーがある。
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一本桜今昔

県道27号の「希望が丘口」交差点、その三上山側に若宮神社というお宮がある。といってもほとんどの方が、そんな神社があったかなとおっしゃる。以前は県道から直接石垣や森が見えて、結構存在感があったが、県道との間にどこかの会社の社員寮風の建物が建ってからは、ほとんど存在感がなくなってしまった。
その参道の斜面に桜の木が生えており、クルマからもよく見えた.
これが若かりしころの姿(1995年撮影、写真集『近江富士遊々』収録)である。社員寮ができてからは、ほとんど忘れた存在になっていたが、先日「古武士」を撮った時にふと思い出して寄ってみたのが今回の写真である。20年前の若者は老成したとは言わないが結構見栄えのある大成した姿になっていた(上の若宮神社参道の写真で鳥居の右に見える木)。
後日談だが、写真集ができてからさんさん会でやっていたYさんが「練習」と称して、野洲周辺の撮影ポイントを回って、収録写真のそっくりさんを撮っていた。桜の木はわかるのに、同じ写真にならないと苦労したのがこの場所だった。
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野にありてこそ

何度も見てもらった野洲市行畑の背くらべ地蔵。その背後に枝垂桜があって、毎年見事な花をつける。花を撮るだけなら別のアングルがあるわけだが、地蔵さん、三上山との順序は決まっている。そのうえ花までも組み入れようというのだから無理な話。覆い屋根を取っ払うとそれなりの絵にはなるのだが。
中山道から分かれて三上山に向かう細い道。その傍らに咲く枝垂桜。寄り添うような二体の地蔵さん。そんな風景を思う。地蔵さんはもともと雨ざらし。野にありてこそ。
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家棟川2

きのうの場所とほとんど同じところ。クルマが1台通れるぐらいの橋が架かっている。その橋の上から見るとほぼ上流方向に三上山が見える。屋形船風の船が2艘並んで留められている。堤防へ上がる手すりなどがつけられていて、遊覧船の船着場らしい。よくわからないけれど、もしそうだとしたら、周囲の枯草ぐらいは刈り取っておけばいいのに。
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家棟川

予報通り天気は回復した。きのう(4月7日)は朝から雲一つない快晴。一日中晴れだという。桜は午後の光にしようと、午前中はたまっていた仕事に当てる。午後1時半ごろ一段落して外を見ると、・・・何と、空一面に淡い雲。いわゆる花曇りの状態。うかつにも予報を信じたのが間違いでした。
ということで、標題の写真は4月5日の撮影。昨日の午後の状態と同じような天気だった。場所は野洲市比留田の家棟川。カメラの背後はすぐに日野川左岸堤防というところである。日野川堤防のほうが背が高く、そこからは俯瞰する形になるのだが、曇り空では桜が浮かび上がらず残念。
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古武士咲く

「辛夷咲く」の間違いじゃないかといわれるかもしれない。さくら墓園と大山川との境に生えている古木である。花の時期になるとどうしても足を向けたくなる。その木が今年も花をつけた。樹齢はどれぐらいになるのだろう、素人の私にはわからないが、少なくとも40年や50年ではないはず。私がこの木を作品として最初にカメラに収めたのが、1991年4月。凛としてその時すでに古武士の風格があった。
それ以前1980年代に大山川の整備が行われ、今のさくら墓園の外周(三上山側)を大きく巻いていた大山川が、いまの直線ルートに着け変わった。その直後だった、この木が忽然と姿を現したのは。それ以前は川とバス道にはさまれた森の中に埋没していたのだろう。
大山川対岸から見た古武士の位置。撮影位置は木の手前下、自転車道のこちら側。一歩間違えば川底へというぎりぎりのところ。
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