小さな突起・結

もう一度昨日の写真を見ながら考えてみよう。一番手前が小さな突起、その奥に三上山という並びだから、左へ進めば三上山は左へ動く。どこかまで行くと突起が三上山に溶け込んで見えなくなる点があるはず。その奥にある阿星山はどうか。斜面方向に動いているだけだから、あまり大きな変化はない。そのあと自分がバックする(山から遠ざかる)。3つの山が一緒に遠ざかっていくわけだから、大きな変化は見えないが、注意して見ていくと阿星山が徐々に低くなっていく。そしてうまくいけば小突起と三上山との重なりの点に阿星山の斜面が一致する点があるはず。それが今日の標題写真である。
ということなのだが、実際に目で見ても写真に撮っても、妙光寺山と三上山の区別は見えにくい。いまの場合も2つの山の左斜面を合わせて重なっているのだが、ほとんど判別できない。実はこの場面、『近江富士まんだら』で、方位0度の写真として使ったものである。細部がはっきり見えないということで、知人の道本さんに頼んでトレースしてもらったのがこれ。建築パースで磨いた腕は見事である。写真よりはるかに情緒があるし、よくわかる。見てもらいたい点はたった1点、妙光寺山の左上の角と、阿星山の右斜面と三上山の左斜面がたった1点で交わっているところ。うっかり見ると山の稜線どうしがクロスしているように見えるところである。
実はこの場所、上のような方法で探しだしたわけではない。山からおよそ8Kmぐらいの距離で、真北に当たる点を探していて偶然に発見したもの。この稜線はどうなっているのかと戸惑ったことが懐かしい。
「ぐるっと一周5度刻み」をどうぞ。
写真ステージ 「近江富士」
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