山麓

さらに進む。昨日の写真でダンプが走っている当たり。右側に見えた茶色の家の横当たり。民家はなくなり麦畑の刈りあとが広がる。市街地で山の全体像が見える貴重な場所である。
右側の電柱はなくなった。しかし、高圧線鉄塔がにょきっと建っている。レンズをワイドにしなければ、山の全体像が入らない。鉄塔も現場ではかなり威圧感がある。国道付近の既設の建物は仕方ないとして、手前の畑はこのままであって欲しい場所である。
写真ステージ 「近江富士」
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今は昔

だいぶ近づいてきた。国道まであと300mほどのところである。当然山にも近づくわけでその距離1.6Km。
車が左へ曲がっていく。よくは分からないが、多分ここまでが行畑、その向こうが妙光寺ということになるのかと思う。この付近に昔こんな風景があった(撮影・1982年1月)。拡幅される前の細い道をバイクで通った記憶があるが、ここがいまのどこかといわれたら首を傾げるしかない。
昔の写真はホンマにこの辺か?。それは間違いない。その証拠は・・・。いまの写真で左端に「高田クリニック」の緑の看板が見える。その上の稜線がぷくっとふくれている、山が蚊に刺されたように。それをよーくおぼえておいて、昔の写真を見る。ほーら見えたでしょうが、松の木の左に。しかし細かく見るとふくらみの形がわずかに違う。昔の写真の撮影場所がピンポイントで「ここ」と言えない理由である。
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電柱が立つ

新幹線をくぐってさらに50mほど進んだところ。ここから国道までの600mほどは、車1台がやっとの細い道だったが、ご覧のように拡幅され立派な道になった。周辺に大規模な住宅地も開発され、両側の家屋も新しい。
さて電柱である。道が出来ると電柱が立つ。宿命だとはいえ、右側の電柱はナントカできなかったか。
以前「市の景観を考える委員会」というのがあって、その席での話。市では駅前通の新幹線までだったか、国道までだったかの電柱地下化の計画があるという。それに対してわたしは「それはやめたほうがいい。同じ金を使うなら地蔵さん道路を無電柱化すべきである。それが三上山の風景を市民が共有できる唯一の方法だと思う。その方がよっぽど価値がある」と発言した。
それに対する回答。「国の助成金がからんでおり、”駅前通”に限定されている」のだという。誰が決めたのか知らないが融通がきかない話だ。「それぞれの市において、景観保全上最も重要だと考えられる道路」とすればいいのではないか。地蔵祭が電線のない広場で実施できれば、どれだけ気持ちがいいことか。
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新幹線、どこに?

「赤信号」の交差点を越えてさらに進む。前方に新幹線のガードが見えてくる。先頭車両が通過するところを撮ってやろう。以前にも狙ってみたが見事に失敗。
何の前触れもなしに時速200Kmを超えるスピードで飛び出してくる、少なくとも事前にカメラを構えて、半押し状態で待っていないことにはどだい無理な話。だから、それはあきらめて最後尾を狙う。先頭車両が通過してから、1,2,3と数える。7か8ぐらいで訳が分からなくなる。結局最後尾が切れてから押すことになる。それがこの写真。
・・・どこに写ってるの?。いやホンマ。どこに?。走っている車の向こうの赤い屋根。その向こうの白い線。(電車は下り新大阪行き・画面では右向き)。
もしヒマなら、写っていない状態と見比べてください。この暑いさなか、人にじろじろ見られながら、じっと立っているオジイのアホさ加減が見えてくる。目で見ているときは、もっと見えていたような気がするのだが。
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知ってるヤツだけ

「背比べ地蔵」の前を過ぎると野洲中央線との交差点。以前「赤信号」として紹介した交差点である。三上山がだんだん大きくなる。信号待ちをしている車の向こう、ワゴンが横切っていくのが中央線。
直進すると、拡幅された道路が国道8号へ通じている。開通してかなりになるのに、標識では細い道のまま。知らない人に道路状況を伝えるために標識は存在する。しかし、ここは違う。知ってるヤツだけ勝手に行けという精神。
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背比べ地蔵

中山道との交差点、片隅にミニパークがあって「背比べ地蔵」が祀られている。わたしがこの通りを「地蔵さん通り」と呼ぶ所以である。祠の中に地蔵さんが2体祀られており、我が子が小さい方ぐらいまで成長すれば、もう一安心といわれたことからこの名があるという。
毎年7月最終日曜日、地蔵祭が行われ、夕刻から付近一帯は歩行者天国になる。中山道沿いの民家では、最近のニュースをテーマに、農機具を使って作り物を並べ道行く人を楽しませる。
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万葉台・2

梅雨の間は遠くから撮ってもまともな写真は撮れないからと、地蔵さん道路のレポートを始めたが、終わらないうちに梅雨が明けてしまった。なんだかけったいなねじれ状態に。撮り直しに行けばいいのだが、他用と重なり面倒くさいし。
JRアンダーパスから平地へもとったところ。前方が中山道の交差点。といっても分かりにくい。横切る車を撮っておけばよかったといまになって後悔している。開発途上の万葉台。もう1枚。故西村良雄さん撮影。1970年代前半。
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梅雨明け


万葉台住宅地

JR線をくぐると万葉台という住宅地に出る。なんで「万葉」なのか知らないが、開発の時点ですでにこの名前がついていた。これは「万葉にぎわい橋」という歩道橋から地蔵さん道路を見たところ。赤い車と逆向きに走るとき、隧道の向こうから三上山が盛り上がってくる印象的なところである。
現在のJR線からも、ここを通過するとき瞬間的にこの風景は見える。しかし、開発される以前、車窓から見える風景は、田圃の向こうに中山道沿いの集落が見え、その向こうに神社の森が見えるという、わたし自身の原風景とも言える懐かしい風景だった。万葉台住宅地開発直前の姿。1970年前半、故西村良雄さん撮影。
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