雪の比良

JR草津線・旧東海道、ともに大砂川をトンネルで抜ける。その両者が湖南市吉永集落のはずれでクロスする。深く考えずに読めば、ああそうかということになるが、ちょっと考えると不思議な話になる。1本の川をトンネルで抜ける。とすれば常識では両者は並行のはずである。「平行な直線は交わらない」、そこまで堅いことは言わなくても、両者はそこそこ同じ方向を向いているはず。それらがクロスするとはどういう意味か。
ほぼ平行に進んできた両者がスーと左右ところを変える。スケート競技のバックストレッチで左右のレーンが入れ替わる、あんな感じである。しかし、それだけなら他にも例はないとは言えない。けれどもいまの場合は、その両者入れ替わる踏切にもう1本別の道路がそれらと直角に交わるのだからややこしい。手を打つにも打ちようがないというところだろうが、最初の2本はともかくとして、3本目をそこへ持ってきたのは大失策。でも、こんなところで道路政策を論じてもゴマメの歯ぎしり。要はきょうの標題写真の撮影位置がそのややこしい踏切のそばだというだけである。
さてその標題写真、画面左端に西濃運輸と平和堂の看板とが並んで見える。その下、水平に堤防が横切っている。ずっと手前に工事用の盛り土が見えるがそれではない。それの奥に見える堤防である。これが大砂川の堤防、そこまでの距離560mほどである。
写真ステージ 「近江富士」
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