真昼の夢

湖岸道路の鮎家の郷のところから五条へ抜ける道が何本かの農道と交差する。そのうちの一か所に点滅式信号機がぶら下がっている。田んぼの真ん中だから、何とも言えない間の抜けた風景である。これで後ろへさがって、(といっても50m、場合によっては100mも退がればの話であるが)、望遠で撮れば山が大きくなって形がつくかもしれないが、そんなものは持ってきていない。いや、かりにそれを持っていたとしても後ろもまた田んぼだからどうしようもない。結局ワイドでごまかすしか手がない。
これは漫画やなと手を焼いていたら、路線バス用のバスがやってきた。何でこんなところへと見上げていたら、運転手もあいつこんなところで何を…と不思議そうに。・・・広くもない十字路をクイーンと器用に曲がっていってしまった。そうか、湖岸道路のアヤメのところにバスの車庫があったんやなと気がついたときには、バスの姿はとーっくに見えなくなっていた。真昼の夢である。
写真ステージ 「近江富士」
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