住宅地の中で

野洲市市三宅からJR線をアンダークロス、「背比べ地蔵」の前を経て国道8号妙光寺に達するいわゆる地蔵さん道路。その道が新幹線をくぐった左側に新しい住宅地がある。開発されて何年になろうか、もうほとんど空地もない状態である。
いつも近くを通るたびに窓からちらっと見えるこの風景が気になっていた。住宅地の中に大きな杉の木がそびえているのである。住宅地の中の大木、雷でも落ちたら大変と、切られてしまうのが落ちだろうに、ここはそういう気配はない。梅雨の晴れ間に周辺を歩いてみた。
入り口からこそかろうじて標題の写真のように杉の木と三上山が並ぶが、すぐに山が木に隠れるようになる。ほとんど目の前まで近づいて、やっと山が木の下へ姿を現す。そこまで行って初めて分かったのだが、祠があって小さな神社になっている。そうか、しめ縄こそ巻かれていないが、この木はご神木だったのか。そうすりゃ雷様が2つや3つ落ちても切るわけにもいかんわな。しかし住宅地が拓かれる前はどうなっていたのだろう。少なくとも私はそこに神社があることすら知らなかった。
写真ステージ 「近江富士」
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