近暗遠明

山と山の合間から三上山が見える。左が三雲の烏が岳、右が朝国のTOTOの丘である。この山合いを国道1号、JR草津線、旧東海道など、そして野洲川が通る。平地といえる幅が330m、そのほとんどが野洲川の川幅で、1号バイパスなどは旧道の上を高架で通過する。三上山からの視線もそこを通過してくるわけだが、その方向が川の向きとわずかにずれる。平地が完全に見通せないのはこのわずかなねじれのせいである。
雲が動いたのだろうか。いまの今まで晴れていた空がわずかに曇り、近くの農地だけに陰りが来た。近暗遠明。三上山や比良山系を引き立たせる大自然の舞台照明である。
写真ステージ 「近江富士」
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