広い流れ

三雲、横田橋の下流である。さすが距離が遠い分だけ甲西大橋あたりからと比べて、比良山は高く大きく見る。比良山があまり小さくならないのに比して、三上山が小さくなったためだが。信楽へ抜ける途中のアセボ峠あたりの山中から流れ出てくる荒川の河口。今年の9月、荒川流域を歩いていて偶然発見した場所である。ずっと以前にもこのあたりへ来たような気がするが、しっかりした風景は見つからなかった記憶がある。ひょっとしたら別の場所だったのかもしれない。
夏に来たときには、堤防に生えている大きな木に苦労したが、いまはそれは葉を落とし、絵を作るのにはずいぶん楽になっていた。とはいえ、この木さえなかったら、もっと大きな風景が撮れるのにと愚痴の一つも言いたくなる場所に生えていることは違いはないのだが。
それと甲西大橋・甲西橋からとの大きな違いは、水面の左右の広がり。前二者にこの広がりはない。取水のためだろうか、ここに堰があって流れがせき止められているためである。
写真ステージ 「近江富士」
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