新緑

サクラが散って、はや山笑う季節である。家棟川の古いヤナギの木。確かめたわけではないが、冬の間はすべての葉を落としつくした裸だったはず。それがもう若葉がもこもこ。それに対して対岸の竹は黄色を越えて褐色といえばいいのか。そして枯れたヨシ。これは最後まで残る。新しい芽が出てから消えていく。
見えている山は手前に横たわる妙光寺山の向こうから、三上山が上半身だけを見せているのだが、その右に携帯電話のアンテナが見える。この種のアンテナはいつの間にか珍しいものではなくなったが、これはずいぶん早くに建った。そのときにはえらいものが建ったと気になって仕方がなかったものだが、今はもう当たり前になってしまった。「当り前」のこわさ。
写真ステージ 「近江富士」
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