枯れアシ

たしか小学校5年生のとき、国史の教科書(もっともそのときは國史だったが)。その冒頭の文章が「豊葦原の瑞穂の国 (とよあしはらのみずほのくに)は・・・・」で始まっていた。80年の人生で教科書の冒頭の文章を記憶しているのはこれだけである。
この風景を前にして、ふとこの文章がフィードバックされてきた。場所はおなじみ、野洲川放水路の川田橋上流。黄白色の昨年のアシの中に、新緑の葉をつけた灌木が立つ。これも期間限定の風景である。あとしばらくすると、この枯れアシの間から、新しい緑の葉が伸びてくる。
野洲川は、たくさんの中洲があるということから、八洲川が語源とされるが、一方で古事記に出てくる「天の安川」に由来するという説もある。そうなれば、もちろん三上山が「高天原」となる。豊葦原の瑞穂の国。もちろん民族のロマンとしてであって、大日本帝国に戻れというわけではありません。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば

