六地蔵

草津線沿いの葉山中学校の方からやってくる道が旧東海道と交差する。その交差点から民家の裏側へ回る。野球のフィールドのホームベースに立ったように90度の視角が広がる。レフト方向に三上山(標題写真)、センターややライト寄りに菩提寺山。ライト方向に日向山(にっこうやま・旧和十散本舗の裏山に当たる)。
実はここから見た風景が、谷文晁が『日本名山絵図』に残した三上山図と一致すると考えている。要するにここ六地蔵の東海道沿いが、文晁のスケッチ場所だったということである。文晁の絵に関しては、はじめ望遠レンズで見た旧野洲川南流堤防からの姿だと考えていたが、細かく考えるといろいろ矛盾もあり、京都外大のH先生の「水平方向2分の1圧縮説」もお聞きして、もう一度考えなおした結果がこの場所だった。この話を来年の『湖国と文化』誌に掲載するにあたり、現場に変化がないか確かめに行った次第である。野球場には何の変化もなく、3人の外野手がしっかりと守備を固めていた。
写真ステージ 「近江富士」
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