不等号

日野川左岸、野村橋上流200mほどのところ。日野川の流れは、地図で見ると緩い大きなカーブだが、地上から見るとまるで数学の不等号を見るように鋭く屈曲して見える。ここから見ると、午前11時ごろ太陽が三上山の上に来て、川面がきらきらと光る。これは既定の事実で、あとは風の状態だけ、これによって光り方が微妙に変わる。しかし、そこまで細かいことを言わなければ、天気さえよければ普通に見える風景である。
このときはそれにプラスして、河川敷一面に広がるオギやススキの穂が光るのをイメージしていたが、ご覧のように数本の穂がちょろちょろと立っているだけ、全くイメージ外の風景だった。それでも意地汚く、何とかならないかとほかの場所をいじくりまわしていたら、対岸の堤防上の道路が、川よりさらにシャープに、まるで超音ジェット機の先端のように光っていた。
写真ステージ 「近江富士」
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