二重堤防

昨日とほとんど同じ場所である。昨日は堤防上を国道が走るという形の場所で、撮影場所も国道上だったが、今回の場所はそれが少しずれて、堤防のすぐ下を国道が走るという状況。国道の「伊勢落」という信号がすぐ真下に見えるという場所である。山のずんぐりした形もほとんど変わらない。しかし風景そのものは大きく変わる。川を前にしているはずなのに流れは一切見えない。そして少し奥に堤防状の壁が横たわり、その上から三上山が見えるという構図である。GoogleMapを拡大してみると淡い線でその堤防が示されている。航空写真に変換するとさらにはっきりする。流れのふちに見えるのがその堤防である。要するにこの部分左岸に関しては堤防が二重になっているのである。(左上が下流・画面真ん中付近の信号が伊勢落)。
いつの時代にも言えることだが、水を治めることは人間の重大事だった。ましてや野洲川のように上流が花崗岩質の川は大変だった。その結果がこの二重堤防だった。いま私が住まいしている野洲市あたりでも以前は二重堤防だったという。国道8号から下流では放水路工事で改修されたが、それより上流に当たるこの辺りはまだ以前の状態が残っているのであろう。堤防の片側はうっそうと茂る森である(画面左が川)。以前は外側も森、まさに昼なお暗い、これが堤防上の道だった。今は片側が解放されて歩くにもさして圧迫感はなくなっている。そんな藪の中に碑が立っていた。もう1基。薮こきをする準備をしてこなかったので近づくことはできなかったが、おそらく二重堤防完成記念碑か何かではないかと想像する。
写真ステージ 「近江富士」
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