傾く水平線

大津市仰木の里住宅地。その高みに大谷大学のグランドがある。最近その横に並んでもう1つ幸福の科学学園のグランドができた。撮影場所はその2つのグランドの間の道を琵琶湖側へでたところ。ネット越しの撮影である。梅雨空で遠景がはっきりしない。さえない写真である。その上にこのあたりからの写真はもう一ついやな条件が重なる。なんとなく水平線が右上がりに見えるのである。
最初その事情が分からなかった。水平線に気をつけて撮ると手前の家屋が傾くのである。標題写真は手前の家屋の縦の線は鉛直のはずである。ところが対岸の線を見ると何となく右上がりに見えるのである。眼下、正面に見えるのは雄琴川の河口だが、そこまで下りて撮った場合は対岸は間違いなく水平に写る。ところがその真後ろに当たるここまで上ってくると水平線がおかしくなる。
対岸の湖岸線を見てはじめて納得できた。この写真でいえば左側は湖岸道路の琵琶湖大橋ゴルフコースあたり、こちらから見ると比較的近い。それに対して右の方は赤野湾あたりでぐんと遠のいて行く。それをこちらの高みから見るのだから、その地形を斜めから見ることになる。地形の奥行きが水平線の傾きとして見えていたのである。いま見ている対岸の線は水平線ではなく湖岸線(地形の線)だったのである。参考のために地上200mぐらいの上空から見た地形線をどうぞ。三上山の手前に見える凹みが、標題写真でも不連続な線として見える。
写真ステージ 「近江富士」
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