北国街道

二人のおじさんが1本の道標を前にして「これなんて読むのやろうね」と悩んでいる。「す」の字が読めないというのではない。場所は堅田港のすぐそば。見ている道標の全体像はかくの如し。「すぐXXXX」。すぐといっても目の前は琵琶湖である。桟橋がのびて「堅田港」との標識も見える。どう考えても琵琶湖なんだけどなー。そこから船に乗って対岸の地名じゃないか。一番下は「屋」らしいから、何か料理屋さんの案内と違うか。
といろいろ考えてみるが結論は出ない。そこでふと気がついた。たしか御代参街道でこの字をよく見たぞ。土山宿に立っていた道標。右の一行は「北国たが街道」と読むはずだった。「XXXX]の一文字目は「小」に見えるけど「北」らしい。何でこれが北なんやろうね。
結局、XXXXの3文字目だけが、分かるようなわからないような。最後は家へ帰って、京都新聞社刊、『近江の道標』を引っ張り出して、「すぐ北国街道」と確認。今の我われには湖西路という感覚が強いが、当時は北国街道と呼んでいたんだ。それにしても、船から上がった人に北国街道を知らせるのだとしたらこの道標は完全に反対向き。何ぼなんでもこの立て方はおかしいよ。
ついでにもう1枚。「すぐ北国街道」の裏面。「左かたたXXXし」までは読める。結論、「左かたた舟わたし」だとさ。いやー、読めんね。
写真ステージ 「近江富士」
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