野の花

守山市浜街道・JAおうみんち横の畑。旧野洲川南流跡である。浜街道から琵琶湖側は地球市民の森として整備されているが、国道を挟んだ上流側は畑になっている。その片隅に数本のコスモスが咲いていた。いわゆるコスモス畑ではない。何かの拍子に種が飛んできてそれがそのまま地についてといった風情。まさに野の花。
詩人・尾崎喜八は石仏は野に置けという。旧街道などには、祠に石仏を閉じ込める。地蔵さんは野に置いてこそ造った人の魂が生きるという。三上山を前にして、道端の地蔵さんとコスモスの花。写真を撮りだしてからずーとイメージし続けてきたが、いまだに撮れていない。地蔵さんが一か所に集められて道端にはないのである。富士山を撮り続けた岡田紅陽はここというところへそっと花の種をまいたというが、花より前に地蔵さんを置かなければならない。
写真ステージ 「近江富士」
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