冬場限定

冬場限定、それもあと2,3年もすればそれすら怪しくなるという風景である。このまま木の葉が出れば見えなくなるし、葉がなくても木が成長すれば近々見えなくなるだろう。
こうなれば枝の重なりのどこに山を置くかということになるのだけれど、正直いろいろ迷った。たとえば標題写真なんかは右の木がうるさい。これの方がいいかなと思うと、稜線と枝が妙に絡んでいる。比良山がきれいだった。ここを見つけたときはこれで決りだと思った。ところが何とも情けない。山を左へ寄せようとすると、木の枝もついて来て、せっかく開いていた空間が塞がれてしまう。何ともはや。
たとえばこの写真、1997年4月の撮影である。このころはどこからでも楽に見えた記憶があるが、いまになって見ると、このころからすでに現在の兆候が見られたともいえそうだ。この桜の木もどこにあったのか、花が咲けば分かるのだろうが。場所は湖南市平松、JR草津線・甲西駅の山手、美し松自生地の近くである。
写真ステージ 「近江富士」
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