大収穫

人生には考えても見なかったことが起こることが多い。ところが私の写真の場合、前提として予感が先行している。だから何10Kmも離れた場所からでもこの小さい山を見つけだすことができる。多分ここ見えるだろうという予感というより予測といったほうがいいかもしれないが。ところがきょうの写真は、まったく予感も予測もなく突然現れた風景である。
まずこの写真、先月、1月31日の標題写真である。その撮影場所が湖南市石部・長楽寺の近く、電柱の右のガードレールのところである。ここ30年ほど、このあたりからはいま見てもらった写真しか撮れないと思い込んでいた。で、このときはこの下を流れる小さい川の水源はどこかという別の目的で訪ねてきたのだった。
川は思った以上の急勾配だった。直線距離で100mも登っただろうか。振り返ると段々畑の下に集落の屋根が沈み三上山が背伸びをしていた。これだけでも大収穫なのに、さらに150mも登ったところで振り返って驚いた。古い茅葺屋根に赤いトタンをかぶせた古い家。これだけでも十分絵になるのだが、もうちょっと登るとさらに視界が広がった。それが標題写真である。
写真ステージ 「近江富士」
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