和邇漁港の怪

標題写真を見る前にまずこの写真を見ていただきたい。撮影は1980年1月1日。船にしめ飾りがついている。いまから37年前。1982年6月出版の『四季近江富士』に「岬の向こうに」と題して収録している。撮影場所は志賀町(現大津市)中浜。この時点では撮影から2年半、記憶もはっきりしていたはず。しかしこれ以上の記述はない。その後、定年退職をした1994年に『近江富士百景』と、2000年に『近江富士遊々』の2冊をまとめた。2003年に現在のHPを開設。既刊3冊の写真集のデジタル化を始めた。撮影場所を再確認して歩くうちに、現地の変化とともに、基本的な思い違いがいくつかあることに気がついた。その中でいちばん不思議なのがこの写真である。
1980年のしめ飾りの写真は、和邇中浜の和邇漁港から撮影したと思い込んでいた。しかしそこから見た場合、三上山は和邇川デルタの中ほどに見えるのである。岬に対する三上山の位置が1980年撮影の写真とのつじつまが合わない。いちばん外側へ寄ったところでもまだ岬の中ほどに見える。1980年撮影の場所は、魚港から離れた沖でなければ成り立たない構図ということになる。そして、きょうの標題写真の撮影場所は?・・・・以下明日。
写真ステージ 「近江富士」
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