十輪院

思いついたことはその場でやっておかないと、いつの間にか忘れてしまう。覚えるより忘れることのほうがはるかに多いのだから難儀なものである。ということでわずか隙間のできた時間を使って十輪院の屋根を探しに行った。
十輪院は、昨日も書いたように中山道沿い琵琶湖側に建つ。写真は野洲川橋北詰交差点から見たところ。白い車が走っているのが中山道、画面奥が近江八幡方面。カメラの後ろが野洲川橋である。工事現場を白い張幕が囲んでいる。三上山は画面右外3Km足らずのところにある。中山道から見る限り、このお堂と三上山は全く逆方向にあり両者を合わせた写真は絶対にありえない位置関係だった。
標題の写真が、野洲川堤防から見た十輪院のお堂である。三共の工場がいつ建設されたのかは知らないが、それ以前はこの堤防から、異物が入り込まない穏やかな風景として見えたはずである。画面を横切る張幕の向こうが中山道である。広い工場跡地は畑や田んぼだっただろう。街道沿いの松並木、その中に建つ藁ぶき屋根の十輪院、その向こうに広がる野洲のさらし場。そんな風景が広がっていたのだろう。
写真ステージ 「近江富士」
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