ちょこっと見える

湖南市石部、阿星山の水を集めて流れ下る落合川。その川が野洲川へ合流する河口である。画面を横切るのは野洲川だが、水は見えない。一見すると左の大きい山が三上山に見えるが、これは菩提寺山。三上山は右後ろからちょこっと顔を出すという構図である。もっと右へ移動すると大きく顔を出すことになるが、残念ながら堤防はこれで終わりである。
カメラが左へ移動すると三上山は隠れてしまう。当り前である。主役がいなくなると脇役が威張りだす。これは人間や猿の世の常であるが、山の世界でも同じことが起こるから面白い。たとえば落合川の流れに沿って上流の方へ移動すると、菩提寺山が三上山と同じ姿に変わる。実際の山の高さは三上山のほうが高い。だからカメラがバックして、高いところへ上ると背後にある三上山が見えてくるはず。で、飯道山(現場から8.2Kmほど離れた山、標高664m)へ登るとホンマにその状態が見える。光線の関係でちょっと見えにくいが2つの山が相似形に重なって見える。
もう一つアホみたいなホンマの話。菩提寺山の大小2つの山の間から、三上山のてっぺんだけが見えているという話。きょろきょろ探しているだけでは気がつかない。真ん中にある5連窓の一番左を上へ伸ばしたところに見えるヤツ。ウソやろーとおっしゃるはず。そういうお方のために拡大しました。近い菩提寺山の木は1本1本ノコギリの刃のように見えが、三上山のそれはのペーっと集まりになって見える。
写真ステージ 「近江富士」
■近江非名所全集
■滋賀を歩けば

