野の鳥居

昨年の暮れから伊勢落の集落が気になりだした。今年になってからもこの”日乗”で何度かとり上げた。今まで何をしていたのか。実は三上山を撮り始めたころ、どこから撮ればいいのかわからなかった。で、最初に思いついたのが旧東海道沿いの地域だった。当時の栗東町六地蔵から石部町までを自転車で走ってみた。伊勢落はその2つの街に挟まれた地域だが、街道沿い三上山側に草津線が走っている。当時はまだ電化されていなかったはずだが、線路沿いの電線などが気になってここは撮れないと判断してしまったのではなかったか。
標題写真は1月5日に見てもらった草津線踏切近くの野の鳥居である。今冬最強の寒波が近づいているという昨日(14日)、北西の空には雪雲が見え、頭上にも雲が流れてその影が見まぐるしく動いていた。現場に立って見ると思ってもみなかった電柱が重なっていた。昔ならいっぺんにあきらめたところだが、今は何とかしてごまかせないかと考える。さてどうしようかと思案していると、目前の風景がふと暗くなった。三上山の明るさの中でその電柱が消えた。大きく引き伸ばせば、いっぺんにあらが見えてくる写真である。もっと天気のいい時にとは思うが、おそらく無理だろう。
写真ステージ 「近江富士」
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